入社式、4年ぶりマスクなしも=「コロナ前」、徐々に復活
新年度に入り、多くの企業で3日、入社式が行われた。新型コロナウイルスの感染が拡大した2020年以降、オンライン開催が増え、式典を見送る企業も見られたが、感染が落ち着いた今年は3月からマスク着用が個人の判断に委ねられた。入社式も、マスクなしの対面開催など「コロナ前」の姿を取り戻しつつある。
伊藤忠商事は東京都内の本社で、4年ぶりにマスク着用を必要としない全面的な対面方式で開催した。新入社員135人と役員らほぼ全員がマスクなしで参加。オンライン形式で親や祖父母が見守る中、満開の桜約700本が飾られた赤じゅうたんの通路を新入社員が笑顔で入場した。
石井敬太社長は「現場を大事にして足を動かしてほしい。リアルの難しさと人との交流の楽しさを感じてください」とあいさつ。新入社員を代表して浅井悠輔さん(23)が「伊藤忠商事の躍進の一翼を担う存在になるべく、日々挑戦と成長を続けていきたい」と決意表明した。
トヨタ自動車は、愛知県豊田市の本社で対面方式の入社式を開催。ごく一部はオンラインで参加したものの、新入社員約1450人がマスクを着用し対面での式典に臨んだ。1日付で就任した佐藤恒治社長は「ようこそ、クルマ屋のトヨタへ。新入社員だからといって気後れせず、自分を大切にしてほしい」と呼び掛けた。
一方、新電力顧客情報の不正閲覧やカルテル問題など不祥事が相次ぐ関西電力は、大阪市内の本店で入社式を開催。新入社員ら264人はほぼマスクなしで参加した。森望社長は「コンプライアンス(法令順守)を重視する企業風土への改革が急務だ」とあいさつ。「日々の業務の中で気になることがあれば、ためらわず声を上げてほしい」と語った。