アマゾンが物流ベンチャーへの投資を加速する背景

小久保 重信(ニューズフロント記者)
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ラストマイル配送と当日配達拠点でAI活用

 アマゾンが23年に始めた「リージョナリゼーション(地域化)」では、AIを活用して商品がどの地域で需要があるかを予測し、ラストマイル配送を迅速化する。アマゾンによれば、AI活用の成果は数値に表れているという。たとえば、ラストマイル配送の商品移動距離は以前に比べて15%縮小。ミドルマイルと呼ばれる倉庫間移動における荷物取り扱い回数(タッチポイント)も12%減少した。

 アマゾンは米国で「セイムデーサイト(当日配達拠点)」と呼ぶ倉庫のネットワークを拡大している。その1施設当たりの大きさは、アマゾンの一般的なフルフィルメントセンター(発送センター)の数分の1程度。主に大都市圏近くにあり、ECサイトで人気のある数百万点の商品を常時置いている。アマゾンは、フルフィルメントセンターやソートセンター(仕分けセンター)、デリバリーステーション(宅配ステーション)といった物流拠点を連携させて商品を配達している。セイムデーサイトはこれらの機能を1つに集約した比較的小規模な施設であり、ここでもAIを活用している。

 だが、アマゾンはまだやれることがあると考えている。フィナンシャル・タイムズ紙によれば、アンディ・ジャシーCEOは「コスト削減しつつも、より迅速に配送できる方法はあるはずだ」と改良を続ける考えを示した。今後もCVCを通じて技術革新に取り組む意向だ。

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