人気のペットボトルコーヒー「コスタコーヒー」、コカ・コーラシステムが考えるさらなる認知拡大の戦略とは
コロナ禍で在宅時間が増えたことで、コーヒー消費にも変化がみられ、コーヒーへのニーズも多様化している。こうしたなか、コカ・コーラシステムではヨーロッパNo.1※¹のカフェブランド「コスタコーヒー」を新たに展開。マルチ・プラットフォームを使いながら、コーヒー市場のさらなる活性化に取り組んでいく。
※¹アレグラ社2021年ワールドコーヒーポータル調査
世界41カ国で愛される高品質なコーヒーブランド
コロナ禍をきっかけに、生活者のコーヒーに対する意識や飲用シーンに変化がみられるようになった。カフェや喫茶店になかなか行けなくなったことで、容器入りコーヒーを飲用する機会が増えたり、在宅時間が増えたことで、手淹れコーヒーを楽しむようになったり。また、生活にメリハリをつけるために、ちょっと高級な豆を選んだり、淹れ方にこだわったり。コーヒーへのニーズは多様化し、以前にも増してさまざまなコーヒーの楽しみ方が求められる時代になってきた。
こうしたなか、コカ・コーラシステムではコーヒーの本場・ヨーロッパで50年愛され続ける「コスタコーヒー」の展開を本格的にスタートさせた。コスタコーヒーとは、1971年にイタリア人のセルジオとブルーノというコスタ兄弟によってロンドンで創業されたコーヒーブランドである。品質と手淹れにこだわった上質なコーヒーを、カフェスタイルからペットボトルコーヒーまで多角的に提供している。現在は世界41カ国で事業を展開しており、カフェはイギリスとアイルランドで2700店舗以上、その他25カ国で1100店舗以上を運営している。加えて、11年連続(2010~2020年)でアレグラ・ストラテジーズの「英国およびアイルランドで最高のブランド・コーヒーショップ・チェーン」に輝くなど、ヨーロッパを代表するコーヒーブランドとして知られている。
これほどまでにコスタコーヒーが支持を集めるのは、コーヒー自体のおいしさもさることながら、持続可能な社会のための活動にも積極的に取り組んでいるからだ。コーヒー栽培地域の子供たちが安全で品質の高い教育を受けられるように支援する一方、使用するコーヒー豆はすべて「レインフォレスト・アライアンス」認証を受けるなど環境にも配慮したコーヒービジネスを行っている。こうした企業姿勢はコカ・コーラ社に通じるものがあることから、2019年にコスタコーヒーはザ コカ・コーラ カンパニーの一員となり、日本でも展開することになったのである。
プレミアムコーヒーの3つのこだわりとは
コカ・コーラシステムといえば、容器入りコーヒーブランドの「ジョージア」を手がけているが、コスタコーヒーとジョージアのすみ分けをどう図っていくのか。
「ターゲットと価格帯を変えたデュアルブランド戦略によって役割をすみ分け、コスタコーヒーを新たなコーヒーブランドとして日本市場に根づかせていきたいと考えています」と話すのは、コスタディビジョン ゼネラルマネジャーの金澤博史氏。1975 年に日本で誕生したジョージアのミッションは「コーヒーのちからで仕事への情熱を支え、喚起する」であり、コンセプトは「働くすべての人の相棒」。一方、ヨーロッパにルーツをもつコスタコーヒーのミッションは「コーヒーのおいしさで日々の生活に元気と活気を与える」であり、コンセプトは「バリスタクオリティ」。つまり、コスタコーヒーは、品質にこだわった手淹れのおいしさを追求するプレミアムコーヒーという位置づけである。
今年4月に全国発売したペットボトルコーヒーの「コスタ ブラック」と「コスタカフェラテ」は日本市場向けに開発されたものだが、コスタコーヒーならではのクオリティを実現するために3つのこだわりをもつ。
1つはコーヒー豆へのこだわりだ。通常のペットボトルコーヒーやカフェラテ製品と比較して、1. 3倍※²のコーヒー豆を使用。しかもそれらは、世界中から厳選した「レインフォレスト・アライアンス」認証の高級コーヒー豆のブレンドだ。
2つめは製法へのこだわりである。コカ・コーラ社独自の技術として、アロマ密封焙煎や高圧抽出技術、挽きたてアロマ製法を採用することで、豊かなアロマと深いコク、まろやかな後味を実現している。
3つめはミルクへのこだわりだ。「コスタカフェラテ」は100%国産牛乳を使用し、コーヒーとミルク、それぞれの風味を生かす独自の技術によって充填。コーヒーの香りとコク、そしてミルクのまろやかさを両立させた味わいに仕上げている。
「近年、小型ペットボトルのコーヒー市場は伸長していますが、コスタコーヒーのように高品質を訴求するブランドは皆無に等しいでしょう。さらに差別化を図るために、パッケージにもこだわりました。よりアロマを楽しんでいただけるように広口ペットボトルを採用し、容量はしっかりとしたコクと深みのあるコーヒーをおいしく飲んでいただける小型容器に設定。仕事中や気分転換のひとときに上質な時間を提供します」(金澤氏)。
※² 公正競争規約コーヒー規格下限基準値5g/100g比