第3回:スマホを使い倒せ!

解説:長谷川 秀樹 (ロケスタ代表)
文:高浦佑介 (ダイヤモンド・ホームセンター編集長)
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ほとんどの人が当たり前のように持っているスマホ。これを仕事でうまく利用すれば、もっと業務を効率化できる。スマホを使い倒してみよう。

スマホイメージ
スマホにはカメラやアプリなど便利機能がたくさん。どんどん仕事で使っていこう。 i-stock/anyaberkut

「スマホを見るな」はもう古い

 一見、業務中にパソコンを見ていると「仕事をしている」ように見え、スマホを見ていると「遊んでいる」ように見えます。この考えはもう古いのでやめましょう。あなたの部下はパソコンを見ながら何もしていないかもしれないし、スマホを使って重要案件の打ち合わせをしているかもしれません。

 スマホは仕事で活用するととても便利です。とくに、小売業の現場ではスマホを大活躍させることができます。

 東急ハンズではもともと、店舗スタッフはPHS、発注端末、インカム(トランシーバー)の3つの機器を持っていました。この3つをスマホ1台に置き換えられたのです。安い価格で通話ができるPHSの機能は、IP電話サービスに加入することで、スマホで代替できます。発注、スタッフどうしのコミュニケーションもスマホアプリで賄えます。しかも、業務用端末は安いものでも1台当たり1015万円くらいかかるので、全員に社用スマホを支給する方が安上がりです。

写真を使ったコミュニケーション

 スマホでしかできないこともあります。その代表例が写真を使ったコミュニケーションです。

 店舗では、取り置きや取り寄せなどのいわゆる「客注」が入り、バックヤードのカタログを確認しに行かなければならないことがしばしばあります。従来のやり方では、その情報を頑張ってその場で覚えるか、手書きでメモを取ることになります。しかし、その作業はスマホで写真を撮れば一瞬で済みます。

 また、「○○商品の○○フレーバー、Sサイズ」が売り切れたとします。これまではサイズや種類も含めて正式な商品名を伝える必要がありましたが、これもスマホでパシャっと撮り、その画像を共有するだけでOKです。時間短縮による業務効率化だけでなく、打ちミスなどもなく、正確に情報を伝えることができます。

 さらに、文字では伝わりにくいことが画像だと簡単に伝わることもあります。たとえば、売場の清掃指示で、「○○売場の棚の下の方が少し汚れているから掃除してほしい」と文字で指示するよりも、写真で具体的な場所を示した方が正確に伝えることができます。

 店舗間の情報共有にも役立ちます。ある店舗でとても評判の良い売場づくりやイベントの事例があったとき、実際に見に行くことができれば良いのですが、なかなか他店舗の視察まで首が回らないのが現状です。さまざまな事例を写真で共有できるようにしておけば、店長や売場担当者がそれらを参考にすることができます。

 共有する仕組みは前回紹介した「グーグルドライブ」を使えば簡単につくることができます。昔のように、ファイルサーバーの容量を気にする必要はなく、無制限に使えます。

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解説

長谷川 秀樹 / ロケスタ 代表

1994年アクセンチュア株式会社入社。2008年株式会社東急ハンズ入社後。2011年、同社執行役員に昇進。2013年、ハンズラボ株式会社代表取締役社長就任(東急ハンズの執行役員と兼任)。2018年、ロケスタ株式会社代表取締役社長就任。2018年10月株式会社メルカリ執行役員就任。2020年2月生活協同組合コープさっぽろCIO就任。その他複数社のCIO兼務。

高浦佑介 / ダイヤモンド・ホームセンター編集長

2010年東京大学文学部卒業、12年同大学院修士課程(社会心理学)修了。14年ダイヤモンド・リテイルメディア入社。『ダイヤモンド・チェーンストア』誌の編集・記者を経て、19年4月よりダイヤモンド・ホームセンター誌編集長。ホームセンター業界のトレンドに精通しており、TV・ラジオなど数々のメディアに出演するほか、ダイヤモンド・リテイルメディアYoutubeでも業界解説動画を配信している。

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