米ギリアド、感染対応の責任理解 レムデシビルに注力=CEO
[1日 ロイター] – 米製薬ギリアド・サイエンシズのダニエル・オデイ最高経営責任者(CEO)は1日、新型コロナウイルス感染症治療薬候補「レムデシビル」について、当局から治療薬として承認が得られ次第、できるだけ多くの患者に届けられるよう注力していると述べた。
ギリアドのレムデシビルについては、米国立衛生研究所(NIH)傘下の国立アレルギー・感染症研究所が4月29日、同薬の臨床試験で患者の回復が31%早まったとの暫定結果が得られたと表明。ファウチ所長は、同薬が新型ウイルス感染症(COVID-19)の「標準的な治療薬」になる可能性があると述べている。
オデイCEOは米NBCのニュース番組「トゥデイ」に出演し、ギリアドはレムデシビルの最初の150万件の処方を寄付するとこれまでに表明しているとした上で、ギリアドは新型ウイルス感染拡大への対応における責任を理解していると指摘。「世界中の人々にレムデシビルが確実に行き渡るよう注力している」と述べた。
その上で、米食品医薬品局(FDA)と緊密に連携しているとし、「FDAとともに迅速に前進している」と述べた。FDAはレムデシビルをできる限り早期に患者に届けるためギリアドと協議していることをこれまでに明らかにしている。
ただ、ギリアドはレムデシビルが最終的に収益に貢献するかについては明確に示していない。
RBCキャピタル・マーケッツのアナリスト、ブレイン・アブラハムズ氏は、レムデシビルの製造、供給、治験を巡るコストの回収についてギリアドの経営陣は明らかにしていないと指摘。ギリアドが4月30日に発表した第1・四半期決算を受け、この日、少なくとも証券会社3社がギリアドに対する投資判断を下方修正した。
ギリアドの株価はレムデシビルに対する期待で年初から約30%上昇している。