有力商業施設に続々出店のフードウェイ 強さ支える組織の秘密とは
フードウェイ(後藤圭介社長)は、九州では最後発ともいわれる福岡県発のローカルスーパーだ。2011年には関東エリアにも進出。精肉テナント事業を祖業とする強みを生かした、生鮮強化型の独自の店舗モデルが特徴で、商業施設デベロッパーから次々と出店要請を受けるほど競争力の高い店づくりに成功している。現在はグループ売上高1000億円の達成を目標に掲げ、売場面積300坪ほどの小型店開発や、生鮮全部門の事業会社化などを推進している。
祖業は精肉業の後発SM鮮魚、青果専門店とタッグ
フードウェイは1991年、後藤圭介社長が福岡で創業した精肉テナント業のミートイン・ハイマートを始まりとする。食料品店や食品スーパー(SM)に精肉店を10店ほど出店したのち、2000年にSM事業に参入。きっかけは、出店先のSMの資金繰りが悪化し、物件のオーナーから代わりにSMの運営を依頼され、引き受けたことだった。当時の流通小売業界は、旧壽屋やマイカル、長崎屋などの倒産が相次ぐ激動期であり、かつSM運営は未経験だったが、苦労しながらノウハウを積み重ね、00年4月に「生鮮市場ハイマート」という屋号で福岡市内に単独のSMをオープンした。
現在の店づくりの方向性が生まれる転機となったのが10年、「フードウェイ」の屋号を冠した1号店「小戸店」(福岡県福岡市)の開業だ。売場面積約550坪という初の大型店で、マグロの解体ショーといった店頭イベントを積極的に開催するなどの取り組みが奏功して繁盛店となった。この成功事例を生かし、その後大型店を出店していく。
特筆されるのが、フードウェイは九州から飛び地といえる、関東に進出を果たしている点である。後藤社長が創業時より関東での挑戦を目標としてきたことから、11年に東京・赤羽に精肉テナントを、12年には千葉県船橋市に関東エリアでのSM1号店を構えた。後藤社長は「SMにとって地域密着は大切だが、地域外に出店せずにいれば、人口が減少するなかで増え続ける競合とパイを奪い合うよりほか道はない。企業を守り、発展させていくには人口が肥沃な新たな商圏に出店していくことは必須」と述べている。
関東エリアでの事業拡大の“起爆剤”となったのは、
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