小売業がベンチャーキャピタルファンド設立続々、その理由は

文:松岡 由希子 (フリーランスライター)
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ベンチャーキャピタルファンド
VENTURE CAPITAL FUNDS

 ベンチャーキャピタルファンド(以下、VCファンド)とは、高い成長性が見込まれる未上場の新興企業に投資するファンドをいう。

 近年、小売企業がVCファンドを創設し、スタートアップ企業に投資する動きがみられる。

 仏カルフール(Carrefour)は2022年4月、仏VCファームのダフニ(daphni)と提携し、デジタルリテール領域のスタートアップ企業への投資に特化したVCファンド「ダストア(Dastore)」を創設した。計8000万ユーロ(132億円:1ユーロ=165円で換算)を投資してフランス内外のスタートアップ企業の少数株主持分を取得し、その事業成長を後押ししている。

 「ダストア」の主な投資対象は、カルフールのデジタル戦略「デジタルリテール2026(Digital Retail 2026)」の重点テーマである新たなECビジネス、オペレーション向けデジタルツール、金融サービス、物流・サプライチェーンの新機能に関連する事業だ。これまでに、サプライチェーンマネジメントプラットフォームを開発する仏イダ(Ida)やアジア食材専門ネットスーパー「ウェイジア(Waysia)」ら、9社に出資している。

ウェイジアHPトップ画面
「ダストア」が出資したアジア食材専門ネットスーパー「ウェイジア」

 豪食品スーパー(SM)最大手ウールワース(Woolworths)では、19年にVCファンド「W23」を自社で立ち上げた。ウールワースグループのエコシステム戦略を加速させ

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松岡 由希子 / フリーランスライター

米国MBA 取得後、スタートアップの支援や経営戦略の立案などの実務経験を経て、2008年、ジャーナリストに転身。食を取り巻く技術革新や次世代ビジネスの動向をグローバルな視点で追う。

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