中国、不況反映の消費トレンド「平替」で伸びるブランド、沈むブランド
中国の消費者、とくに若い世代の間で「平替(ピンティー)」と呼ばれる消費習慣が広がっている。これは「平価代替品」の略で、高価なブランド品を買わず安価な代替品を買うことを指す。長引く不況と先行き不安から、少しでも出費を抑えたいという心理により生まれたものだ。
平替は本来、「用途の異なる代替品を探すこと」を意味する。たとえば数千円はするタブレット用のスタンドではなく、代わりに数百円で手に入る飲食店用のメニュースタンドを選ぶといった具合だ。中国のSNSではこういった代替品についての情報交換が盛んに行われている。
ここから発展して最近人気を集めているのが、「同源平替」と呼ばれる商品だ。これは人気ブランド品のOEMメーカーが低コスト・低価格で製造・販売するもの。機能や品質はダウングレードする場合が多いが、製造企業が人気ブランドと“同源”でありながら価格が安いことから、選択する消費者が増えているのだ。
「同源平替」で急成長する名創優品
この同源平替で大きく成長しているのが、雑貨チェーンの「名創優品(メイソウ)」だ。創業当初は「ロゴはユニクロ風、店舗デザインは無印良品風、商品はダイソー風」と日本の大手小売チェーンの模倣が指摘され、知的財産権の侵害が疑われる商品も多かった。しかし、今では同源平替でヒットを連発し、成長を遂げている。
たとえば、米アップルのワイヤレスイヤホン「AirPods Pro」は、中国の立訊精密という企業が製造を担っている。メイソウはこの立訊精密と直接契約し、低価格の
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