そごう・西武労組、スト通知=31日から、セブン&アイと協議継続
セブン&アイ・ホールディングス傘下の百貨店そごう・西武の労働組合は28日、ストライキを31日に開始すると会社側に通知した。同社売却を巡る28日の協議で、雇用継続などについて納得できる説明がなかったためとしている。労使はぎりぎりまで協議を継続するが、ストが実施されれば百貨店では約60年ぶりの異例の事態となる。
労組は西武池袋本店(東京都豊島区)で31日の終日ストを計画。勤務する約900人の組合員は出社を取りやめる。一方、セブン&アイが米投資ファンドへの株式譲渡を最終決定しないと明確にすれば、ストを回避する意向だ。
協議は28日午後に東京都内で行われ、井阪隆一セブン&アイ社長らが出席。労組は雇用の維持と百貨店事業の継続を求めているが、「まだ何も決まっていないのに、セブン&アイは9月1日に株式譲渡を進める考えを崩していない」(労組)ことなどから溝は埋まらず、そごう・西武の田口広人社長にスト実施を通知した。
協議後に記者会見した寺岡泰博そごう・西武労組委員長は「納得感が得られる状態には至っていない」と指摘。その上で「ストを回避すべく、譲歩案を出していただきたい」と述べた。
セブン&アイは昨年11月、そごう・西武を米ファンドに売却する方針を決定。しかし、家電量販大手「ヨドバシカメラ」の出店に労組や地元豊島区が反発し、譲渡時期は2度延期された。
セブン&アイは「ストが実施されれば、お客さま、取引先をはじめとする関係各位にご迷惑をおかけすることとなり、大変申し訳ない」とのコメントを発表した。 〔写真説明〕記者会見するそごう・西武労組の寺岡泰博委員長(右から2人目)=28日午後、東京都豊島区