そごう・西武社長交代=売却完了へ前進―セブン&アイ
セブン&アイ・ホールディングスは1日、売却計画が進む傘下の百貨店そごう・西武の林拓二社長(70)が退任し、後任に田口広人常務(62)が昇格する人事を発表した。同日付。セブン&アイは「より推進力のあるトップへの交代で早期の売却を目指す」とコメントしており、事実上の解任。ずれ込んでいた交渉が近く決着する可能性が大きくなった。
セブン&アイは昨年11月、ヨドバシホールディングス(東京)と連携する米投資ファンドにそごう・西武を売却すると発表した。しかし、西武池袋本店(東京都豊島区)にヨドバシが1階を含むフロアに出店を計画していることに、豊島区などが反発。売却時期は2度延期された。
その後、ヨドバシは百貨店の顔とも言える1階と地下1階には出店しないと譲歩。一方で、ヨドバシの出店そのものに対するそごう・西武の労働組合による反発は根強く、セブン&アイは林氏に代わって調整力に定評のある田口氏を立て、売却交渉を加速させたい考えとみられる。
田口 広人氏(たぐち・ひろと)滋賀大経卒。85年西武百貨店(現そごう・西武)入社、16年セブン&アイ・ネットメディア社長などを経て、22年3月そごう・西武常務。石川県出身。