パンやミールキット…進化するドラッグストアの食品売場の実態とスーパーの対策
新型コロナ感染拡大を機にさらに需要が伸長した冷凍食品。これを受けて食品スーパー(SM)各社が売場や品揃えを拡充しているが、ドラッグストア(DgS)も同様だ。最近では、単に低価格訴求するだけにとどまらず、選ぶ楽しさや利便性を提供する売場へと進化させている。そこで神奈川県横浜市の住宅地を舞台に、DgSの最新の冷凍食品売場を調査し、今後SMがとるべき対策を解説する。
最終コーナーで約250SKUを販売
今回調査に訪れたのは、相鉄本線「希望ケ丘」駅とその隣の「三ツ境」駅周辺だ。周辺は、住宅街で、緑地や学校が多く子育て中のファミリー層に人気のエリアである。
周辺にはDgSやSMも多く利便性も高い。DgSでは、希望ケ丘駅と三ツ境駅周辺(500m圏内、以下同)だけで、横浜市に本拠を置くクリエイトエス・ディー(廣瀨泰三社長)が4店、ウエルシア薬局(東京都/田中純一社長)が「ハックドラッグ」を4店、「ウエルシア」を1店営業し、ドミナントを構築している。
SMでは、希望ケ丘駅周辺に「ロピア希望が丘店」「相鉄ローゼン希望が丘店」「ライフ希望が丘店」が、三ツ境駅周辺に「イオンフードスタイル三ツ境店」「相鉄ローゼン三ツ境店」「成城石井相鉄ライフ三ツ境店」などがある。
DgSのなかでも冷凍食品の提案が光っていたのが、希望ケ丘駅から北東へ約500mにある「クリエイトSD旭東希望が丘店」(以下、旭東希望が丘店)だ。
関東を中心に700店以上を展開するクリエイトエス・ディーは近年、生鮮や総菜を含む食品の取り扱いを強化。これにより来店頻度を高め、小商圏でも成り立つ店とすることでさらなる出店拡大を図っている。
希望ケ丘駅周辺では3店を展開しており、それぞれ出店形態や取り扱いカテゴリーで差をつけ、すみ分けを図っている。駅北側の「横浜希望が丘店」は野菜と冷凍商品を食品の品揃えに加えた調剤併設店舗。駅南側の「希望が丘駅南口店」は、野菜や冷凍食品のほか、精肉、冷蔵商品も扱う。そして「旭東希望が丘店」は18年2月開業と、3店のなかでは最も新しい調剤併設店舗だ。十分な駐車スペースを確保し、食品も野菜、精肉、冷蔵・冷凍食品を揃える。
実際に旭東希望が丘店の売場を見ていくと、出入口から入って手前でDgSの売場を、奥側で食品の売場を展開する。驚いたのは主通路沿いの最終コーナーで、