百貨店ノードストロム、カナダ撤退=13店閉鎖、米事業に注力へ
【ニューヨーク時事】米百貨店大手ノードストロムは3日までに、不振のカナダでの事業から撤退すると公表した。同国の13店舗を閉鎖し、米国事業に力を注ぐ。
エリック・ノードストロム最高経営責任者(CEO)は、2014年に開始したカナダ事業について「採算が取れていないほか、持続的な黒字への現実的な道はなく、新型コロナウイルス禍が赤字を膨らませた」と指摘。「カナダは売上高全体の3%に満たず、米事業に一段と注力することで恩恵が受けられる」との見方を示した。
同社のカナダの従業員数は約2500人。ノードストロムを6店、ディスカウント・ストア「ノードストロム・ラック」を7店運営しているが、6月後半に閉鎖する。カナダ部門のウェブサイト経由の注文は2日で終了した。
カナダ撤退により、2023年度(24年1月までの1年間)の売上高は約4億ドル減少するが、EBIT(税・利払い前利益)は撤退費用を除けば3500万ドル改善すると見込む。
一方、同社幹部は、世界的な供給網混乱の解消は続くとしながらも「高インフレと金利上昇が特に年度前半の個人消費の圧迫要因になるほか、とりわけ労働、輸送関連のコストに押し上げ圧力がかかる」と、厳しい事業環境を予想した。