米貿易赤字が過去最大=インフレや資源高で―22年
【ワシントン時事】米商務省が7日発表した2022年の貿易統計によると、国際収支ベース(季節調整済み)の物品取引における貿易赤字は前年比9.3%増の約1兆1918億ドル(約157兆円)と、過去最大を更新した。世界的なインフレやロシアのウクライナ侵攻による供給制約が資源価格を押し上げ、輸出入ともに最大となった。
物品取引の赤字拡大は3年連続。輸入は14.9%増の3兆2773億1400万ドル、輸出は18.4%増の2兆855億6100万ドルだった。原油価格はエネルギー大国、ロシアに対する日米欧の経済制裁で供給が滞るとの懸念を背景に高騰。通年の平均取引価格は8年ぶりの高値を付け、米石油製品の輸出額は最大を記録した。
物品とサービスを合わせた全体の貿易赤字でも約9481億ドルと過去最大を更新した。
国別赤字額の上位は中国、メキシコ、ベトナム。日本は6位だった。ロシアとの貿易は、経済制裁の影響で輸出入ともに大きく落ち込んだ。
一方、物品取引における中国との輸出入を合わせた貿易額は約6906億ドルと、18年以来4年ぶりに過去最高を更新した。輸出規制や制裁関税の対象となっているハイテク分野で米中のデカップリング(分断)が現実味を帯びる中、経済・国家安全保障に関係のない日用品や食品の取引が増えた。