既存店の800m先に四条大宮店を出した、ライフの周到な出店戦略とは

取材・文:森本 守人 (サテライトスコープ代表)
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ライフコーポレーション(大阪府/岩崎高治社長:以下、ライフ)は、京都市中心部への攻勢を強めている。昨秋、ビジネス街の烏丸エリアに進出したのに続き、今年9月、そこから西へ約800mの至近に新店を投じた。競争が激化するなか、ライフはいかなる戦略で京都市場を深耕するのか。同社の取り組みをレポートする。

「大阪に比べて京都はまだ出店余地がある」

 ライフは9月28日、京都市中京区に「ライフ四条大宮店」をオープンした。市内中心地のメーンストリートの1つである四条通に面し、店の前は昼夜を問わず多くのクルマ、人が往来する環境にある。

ライフ四条大宮店
9月28日にオープンした「ライフ四条大宮店」。昨年9月に投じた四条烏丸店との間隔は約800mしか空いていない

 同社が京都市中心部に新店を投じるのは、昨年9月15日に「四条烏丸店」をオープンして以来、約1年振りのことだ。実は今回の出店について、社内ではその可否をめぐってさまざまな議論が交わされたという。理由は、四条烏丸店から直線距離で西へ約800mという超至近に立地するためだ。

 近年、ライフは店舗運営の方針として半径1km圏内におけるシェア拡大を掲げている。しかし2店の間隔が約800mしかないため、当然、商圏は重複する。経営層からは、その点を指摘する意見が出たのは当然だろう。

 最終的にゴーサインが出たのは、2店の間に主要道の堀川通が南北に走り、商圏を分断する要素になると判断したためだ。両店の周辺には厚い市場が広がっており、それぞれ十分に採算が取れると算盤をはじいた。

 さて近畿圏におけるライフの店舗政策に触れておくと、現在、重点エリアとするのは、人口が集中する①大阪市、②大阪市から神戸市にかけての阪神、③京都市で、この3エリアを中心に出店し、各地でドミナントを強化することを方針としている。

 このうち京都市は食品スーパー(SM)の出店に適した、まとまった土地が出にくい土地柄だといわれる。それでも近年は、確実に競争が激しさを増している。最近では昨年11月に、JR各線「京都」駅前にロピア(神奈川県)の「京都ヨドバシ店」がオープンしており広域から集客している。

ライフ近畿圏開発本部の雨森智志副本部長
近畿圏開発本部の雨森智志副本部長

 そんななかライフの2店の出店も、業界の中では競争を激化させる大きな動きの1つだ。同社近畿圏開発本部の雨森智志副本部長は、「大阪から比べると、京都は総じてSMの

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取材・文

森本 守人 / サテライトスコープ代表

 京都市出身。大手食品メーカーの営業マンとして社会人デビューを果たした後、パン職人、ミュージシャン、会社役員などを経てフリーの文筆家となる。「競争力を生む戦略、組織」をテーマに、流通、製造など、おもにビジネス分野を取材。文筆業以外では政府公認カメラマンとしてゴルバチョフ氏を撮影する。サテライトスコープ代表。「当コーナーは、京都の魅力を体験型レポートで発信します」。

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