単独での黒字化は不可能?中国で追いつめられる Qコマースの根本的な問題とは
生鮮を含む食品をスマホで注文すると、30分以内に商品が届く即時配達サービス。日本や欧米などではクイックコマース(Qコマース)の名称で定着しつつある。中国では、2015年創業の「毎日優鮮」(ミスフレッシュ)、17年創業の「ディンドン買菜」がQコマース業界をリードする存在で、昨年には相次いで米国証券取引市場に上場を果たした。
しかし上場に際して財務状況が公になると、投資家からは「本当に利益が出るビジネスモデルなのか?」と疑問符がつけられるようになり、足元で株価は低迷している。ミスフレッシュに至っては、今年6月にナスダックから「上場廃止基準に該当する」との警告まで受けている。
収益構造の致命的な問題
Qコマースの痛点は、運営コストがかさむことだ。30分以内に配送するため、配送地域の中に80㎡から300㎡程度の小型倉庫を多数配置しなければならない。1つの倉庫で扱う商品SKU数は3000から4000程度で小型スーパー(SM)並みの品揃えだ。この小型倉庫は中国では「前置倉」(日本でいうダークストア)と呼ばれるが、その運営コストは馬鹿にならない。なんといっても
チャイナ&アジアトレンド の新着記事
-
2024/11/18
不況で飲食店がバタバタ倒れる中国 FC飲食店は急増している理由とは -
2024/10/18
スタバが劣勢、ラッキンも抜く?中国カフェ「コッティ」したたかな戦略とは -
2024/09/21
アマゾンの成長減速の一因がシーイン、Temu の躍進だと言える理由 -
2024/08/15
無料ネイルサロン提供する異色の中国火鍋チェーン、次なる一手 -
2024/07/05
中国でサイゼリヤが絶好調の理由と追いかけるピザハットの戦略 -
2024/06/07
中国、不況反映の消費トレンド「平替」で伸びるブランド、沈むブランド
この連載の一覧はこちら [47記事]
関連記事ランキング
- 2024-11-15クシュタールのセブン買収提案は米国内でどう報じられているのか、在米ジャーナリストが解説
- 2022-05-05冷凍弁当宅配の「ナッシュ」がコロナ禍で販売数を8倍に伸ばした方法
- 2024-09-3048兆円市場の各社のシェアがわかる!食品小売、市場規模&占有率2024!
- 2024-10-28売上6000億円超のコープデリ連合会、宅配利益率4%も危機感の理由
- 2023-06-08アメリカ小売業トップ10社ランキングに見る、大手企業の最新動向!
- 2024-11-15標準店の1/4!ホールフーズ、都市型小型店の全貌
- 2023-04-19アマゾンゴー米国8店舗閉鎖の理由と、クローガーの年10億 ドルリストラ策
- 2024-11-01日本展開に意欲!英テスコがネットスーパーの“外販”開始、高い実力とは?
- 2024-11-19激変小売マーケティング「ターゲットショッパー」の設定方法
- 2019-12-30英料理配達企業へのアマゾン出資巡る調査、第2段階に移行=当局