米消費者物価、8.3%上昇=8カ月ぶり減速も高水準―4月
【ワシントン時事】米労働省が11日発表した4月の消費者物価指数(CPI)は、前年同月比8.3%上昇した。ロシアのウクライナ侵攻に伴う原油などの価格高騰が一服したこともあり、伸びは前月(8.5%上昇)を下回り、8カ月ぶりに減速したが、依然として約40年ぶりの高水準を保った。
変動の激しい食品とエネルギーを除いた「コア指数」は6.2%上昇。前月(6.5%上昇)から減速したとはいえ、高止まりしている。
項目別ではガソリンが前年同月比43.6%上昇、中古車・トラックも22.7%上昇した。ただ、いずれも前月比では低下した。
米国では、物価高を招いていたサプライチェーン(供給網)の混乱などの問題が改善の兆しを見せており、高インフレはピークを過ぎたとの見方もある。一方、企業の消費者へのコスト転嫁や賃金上昇といった物価押し上げ圧力は根強い。11月の中間選挙を控え、バイデン大統領はインフレ封じ込めを「国内の最優先課題」と位置付ける。
中央銀行に当たる連邦準備制度理事会(FRB)は物価高の定着を阻止するため、積極的な金融引き締めを進めている。今月4日の金融政策会合では、通常の倍となる0.5%の利上げを22年ぶりに決定するとともに、今後も大幅利上げを続ける方針を示した。