フーマーだけじゃない!中国のニューリテール事情
アリババが運営する盒馬鮮生(以下、フーマー)はネットスーパー、スーパー、イートイン、倉庫の機能を持ち、中国におけるニューリテールのビジネスモデルとなった。あらためて、フーマーのニューリテール戦略、さらにフーマー以外の注目企業のニューリテール戦略の取り組み事例を紹介する。
フーマーが実現したニューリテールとは
2016年にアリババグループが「ニューリテール(新小売)」という概念を提唱した。ニューリテールは、オンラインとオフラインを融合させた(OMO:Online Merges with Offline)の概念をベースにして、顧客情報やデータをプラットフォームで統合して、消費者がオンラインとオフラインを問わずシームレスに利用体験できるようにする戦略で、「顧客体験」を重視している。フーマーでは、顧客はオフラインの店舗で購買することはもちろん、そのオフラインの店舗で購入·注文した商品を30分以内に配送してもらうことができる。
また店舗によってはイートインも併設されており、購入したばかりの食材をその場で調理してもらえる。最近では、アリババグループのECモールである天猫(T-mall)の一部の越境商品をフーマー内でも購入できるほか、クリーニングや掃除サービスまで購入し予約できるようになった。もちろん決済は同じアリババ系列のアリペイで行える。オンラインとオフラインの「境」を消費者に意識させることなく、購買体験を提供しているのである。
![フーマーアプリの画面。今日のレコメンドやレシピ紹介があり、材料をすぐ買えるUI。店内を回遊するのと同じ体験を目指している。](https://diamond-rm.net/wp-content/uploads/2021/12/china-newretail-01.jpg)
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