中国で輸入食品の新規則、企業は対応に追われる 年明け導入
[北京 13日 ロイター] – 中国の新たな輸入食品規則を巡り、各国の輸出企業が対応に追われている。企業の間では新規則が導入される来年1月までに必要な手続きが完了しないとの懸念が広がっている。
中国の税関当局は今年4月、輸入食品の新たな安全規則を公表した。中国市場に参入する海外の全ての食品製造・加工・保管会社は年末までに登録を済ませる必要がある。ただ、登録方法の詳細は10月まで発表されず、オンライン上の登録は先月からようやく始まった。
北京駐在のある欧州外交官は「1月1日以降、大きな混乱が予想される」と懸念を示した。
中国の食品輸入は、中間所得層の需要拡大を背景にここ数年急増している。米農務省の報告書によると、2019年の中国食品輸入は約890億ドルに達し、世界第6位の食品輸入国となった。
中国はこれまで輸入食品の新たな規則を検討していたが、輸出業者が反対していた。
中国税関総署(GACC)は、ワインや小麦粉、オリーブオイルなど食品安全上のリスクが比較的低いとされる食品も含め、全ての食品に登録が義務付けられることに関してほとんど理由を説明していない。
専門家の間では、新規則導入は中国の港に到着する大量の輸入食品をよりよく管理し、食品の安全性に対する責任を政府ではなく企業に負わせるための取り組みだとの見方がある。
GACCはロイターへの文書で、4月以前に食品輸入規制について一般からの意見を求めていたと説明。「合理的な提案を十分に検討し、積極的に受け入れた」とし、食品安全対策の実施に関する世界貿易機関(WTO)の合意を厳格に順守し、企業からの質問にも回答したとしている。