わずか5年で4兆円市場に急拡大!リテールメディア売上を増やす3つの方法とは
NRF2023で注目を集めたセッションの1つに「リテールメディア」がある。米国小売のリテールメディア売上は急速に拡大しているが、その現状と今後の成長のうえで何がポイントになるのか? リサーチ会社インサイダー・インテリジェンスのプレゼンテーションをまとめた。
デジタル広告のサードウェーブ驚異の成長スピード
リテールメディアは、2000年からグーグル(Google)が牽引してきた検索連動型広告、10年代からメタ(Meta:旧フェイスブック)を中心に成長したソーシャル広告に続くデジタル広告の「サードウェーブ」と位置づけられる。
リテールメディアが注目を集めている理由の1つとして、成長スピードの速さが挙げられる。米国での広告収入が10億ドル(130億円:1ドル=130円で換算)から300億ドル(3兆9000億円)になるまでの期間を比較すると、検索連動型広告が14年、ソーシャル広告が11年を要したのに対して、リテールメディアは16年から21年までのわずか5年でこれに達した。年成長率は20年の57.3%をピークに鈍化しているものの、23年には450億ドル(5兆8500億円)を超え、その後も年100億ドル(1兆3000億円)増のペースで拡大すると見込まれる。
あらゆる小売業がアドネットワークになりつつある。オンラインマーケットプレイスのアマゾン・ドット・コム(Amazon.com:以下、アマゾン)、イーベイ(eBay)、量販店のウォルマート(Walmart)、ターゲット(Target)、専門量販店のホームデポ(The Home Depot)、ロウズ(Lowe’s)、クローガー(Kroger)、買物代行サービスのインスタカート(Instacart)などがその代表例だ。
なかでもアマゾンは米国のリテールメディアを支配し、市場シェアの77%超を握っている。これに次ぐウォルマート、インスタカート、イーベイのシェアはまだ小さいものの、市場シェアを1%拡大するごとに4億5000万ドル(585億円)相当の収益を得られることとなる。
デジタル広告成長率全米1位はウォルマート!
23年の米国でのデジタル広告収入の成長率は、