開始から1年で劇的変化!「ぐるぐる図」で OMOを強化するベイシアのDX戦略とは

ダイヤモンド・ホームセンター編集長:高浦佑介 (ダイヤモンド・ホームセンター編集長)
構成:松岡 由希子 (フリーランスライター)
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ベイシアの外観
ベイシアは近年DXに着手し始め、目まぐるしい勢いで成果を上げている

ホームセンターのカインズ(埼玉県)、作業服専門店のワークマン(群馬県)などとともに総売上高約1兆円のベイシアグループの中核をなす食品スーパーのベイシア(群馬県)。グループ各社がデジタルトランスフォーメーション(DX)を加速させているなか、ベイシアでもこの1年間、矢継ぎ早に改革が行われてきた。亀山博史氏に話を聞いた。

亀山博史氏
<プロフィール> 亀山博史(かめやま・ひろし)
大学卒業後マツモトキヨシ入社。その後米国にてMBAを取得。アビームコンサルティング、富士通総研で小売、外食、食品卸、サービス業のBPR、システム構想を経験。アマゾンでは化粧品部門トップとして、ビジネス急拡大をリードする。スターバックスではテクノロジー部門のトップとしてデジタル化の推進。2018年、日経BP社の「ITイノベーターズ日本」のリーダーに選出。2020年10月よりベイシアのマーケティング統括本部本部長、デジタル開発本部本部長、CMO、CDO着任

後発ほど有利
ゼロから改革

-2020年10月にベイシアは「デジタル開発本部」「マーケティング統括本部」を立ち上げ、CDO(最高デジタル責任者)、CMO(最高マーケティング責任者)に就任されました。当時、ベイシアをどのように評価していましたか。

亀山 「より良いものをより安く」という理念のもとEDLP(エブリデー・ロー・プライス)に強みを持ち、オペレーションの仕組みがきちんと確立され、スーパーセンター(SuC)を主力業態として売上と利益を安定的に出す堅実な小売企業だと感じていた。

 人口減少時代を見据えて既存の小売業に対する強い危機感を持ち、デジタルトランスフォーメーション(DX)やコーポレートトランスフォーメーション(CX)を志向して「デジタルを活用していかに尖るかだ」と説く経営トップの考え方にも大いに共感した。

 デジタル領域は後発であるほど有利な面がある。阻害要因がなくスムーズにゼロベースから最先端技術を用いて新しい取り組みをすすめられるからだ。ベイシアはこれまでデジタル領域にほとんど着手しておらず、この点で恵まれた環境といえる。将来に向けたイノベーションを魂として吹き込むことで、さらなる成長が期待できる企業だ。

-ベイシアではDXをどのようにとらえていますか。

亀山 顧客の利便性の向上や多様な買い物体験の提供、顧客インサイトの深堀など、売上拡大に直結するものをDXと定義している。その点で、業務効率化や生産性向上を目的とするITとは明確に区別している。

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ダイヤモンド・ホームセンター編集長

高浦佑介 / ダイヤモンド・ホームセンター編集長

2010年東京大学文学部卒業、12年同大学院修士課程(社会心理学)修了。14年ダイヤモンド・リテイルメディア入社。『ダイヤモンド・チェーンストア』誌の編集・記者を経て、19年4月よりダイヤモンド・ホームセンター誌編集長。ホームセンター業界のトレンドに精通しており、TV・ラジオなど数々のメディアに出演するほか、ダイヤモンド・リテイルメディアYoutubeでも業界解説動画を配信している。

構成

松岡 由希子 / フリーランスライター

米国MBA 取得後、スタートアップの支援や経営戦略の立案などの実務経験を経て、2008年、ジャーナリストに転身。食を取り巻く技術革新や次世代ビジネスの動向をグローバルな視点で追う。

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