「AIモデル」起用で売上増!三越伊勢丹が提供する新撮影サービスとは

吉牟田祐司
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AIモデル起用で3ショップが売上向上

三越伊勢丹AIモデル
AIモデルの使用例

 ECの商品画像は、モデルの着衣に限らず、平置き、ハンガーに掛けた「吊るし」、マネキンやトルソーに着せる見せ方もある。しかし、モデルに着せて撮影した画像の方が、強く印象に残り、着用時を想像しやすいため、購入率が高くなる傾向がある。

「商品を直販するメーカーやSPA企業なら、撮影の手間はそれほど負担にならないかもしれないが、私たちを含めたリテールの事業者にとっては、複雑な商流に対応しつつ、デジタル技術を活用して、いかに効率化をはかるかが課題だった。その解決につながる取り組みになっていると自負している」(石井マネジャー)

「三越伊勢丹オンラインストア」では「リ・スタイル」「プライムガーデン」「クローバーショップ」の3つのECショップが、AIモデルを起用。3月に実装されて以来、売上は好調で、前年と比べて大きく伸びた。AIモデルの画像は隅に「model:generated by AI」とクレジットが入っているが、ぱっと見ただけでは、実在するモデルとの違いを判断することは難しい。

「お客さまに満足いただくための手段として、提供する撮影サービスに新しくAIモデル撮影が加わり、選択肢の一つとなった」と石井マネジャー。あくまでもポイントは、商品がサイトユーザーである消費者の目に留まり、魅力的に映るかどうか。その点で、バイヤーや店頭販売を経験した“百貨店業務のバックボーン”がある「ささげ業務」のエキスパートが、現場の声を聞きながらAIモデルを生成することが、撮影のコストや手間の削減だけでなく、反響の獲得という大きなメリットを生み出しているといえそうだ。

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