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ポスト5G開発へ基金設置、若手研究者支援基金も=成長戦略

5G
12月19日、政府は未来投資会議を開催し、これまでの各議論を踏まえて、来年夏の成長戦略実行計画に関する中間報告をとりまとめた。写真は9月12日、東京ゲームショー会場で撮影(2019年 ロイター/Issei Kato)

[東京 19日 ロイター] – 政府は19日、未来投資会議を開催し、これまでの各議論を踏まえて、来年夏の成長戦略実行計画に関する中間報告をとりまとめた。その中で、5G情報通信インフラの集中的整備への減税措置、ポスト5Gのシステムや先端半導体技術の日本企業による開発を支援するため、複数年のプロジェクト推進に基金を設置することが盛り込まれた。また人材育成に向け、大学などの研究者を対象に研究構想支援へ一定期間、安定的に支援する事業の基金を創設する。

未来投資会議でとりまとめた中間報告は、新たな分野への投資促進策と、6つの個別テーマを盛り込んだ。

主な内容は以下の通り。

新たな分野への投資促進

1.企業内部資金の新分野への投資促進

2012年度から18年度までの企業の現預金は26.5%増加したが、企業の営業利益に対する設備投資や研究開発費比率が低下している。これらの金融資産をスタートアップ企業の資金供給に活用するため、創業10年未満、未上場のスタートアップ企業に対する1億円以上の出資について、25%の所得控除の措置を講じる。地域経済をけん引する中小企業による1000万円以上の出資にも同様の措置を講じる。

2.人材

若者の異能人材による先が見えない創造的な研究への支援

大学などの研究者の職務時間に占める研究時間は2002年の46.5%から18年の32.9%に減少。中長期的な視野に立った独創的・挑戦的な研究が困難となっている。このため、若手研究者を中心に研究構想を公募し、一定期間、安定的に支援する事業(基金)を創設する。

個々のテーマ

1.デジタル市場

プラットフォーマーの取引透明化法案を2020年の通常国会に提出。

個人情報保護法の見直し、改正案を2020年通常国会に提出。

デジタル広告市場の実態調査を行い、来春めどでその競争状況の評価についても中間整理を行う。

安全・安心な5G情報通信インフラの早期の集中的な整備を行うため、全国キャリアの高度送受信装置などの前倒し整備について15%の税額控除の措置。ローカル5Gの送受信装置などの設備投資についても15%の税額控除を講じる。

またポスト5Gは日本が強みを持つ産業分野にかかることから、日本企業が挽回できる唯一のチャンスと位置づけ、日本の基幹産業の競争力の核となりえるポスト5G情報通信システム・半導体開発に向け、複数年のプロジェクトを安定的かつ効率的に推進するための基金を設置。

2.地域インフラの維持

乗合バスや地域銀行について、合併・共同経営による経営力強化により、将来にわたってサービスを維持するため、独占禁止法の特例法案を2020年通常国会に提出。附則に10年以内に本法を廃止するものとする旨を規定。

3.中小企業などの生産性向上

4.フィンテック

銀行以外も100万円超の送金を可能とするなど、資金決済法の改正法案を2020年の通常国会に提出。

金融サービス仲介法制について、銀行・証券・保険の全分野の商品サービスを扱えるようにするなどの規制緩和を行う法整備を検討し、2020年の通常国会に法案を提出。

キャッシュレス促進策として、来年9月から21年3月末までの期間、マイナンバーカードを活用してマイナポイントを付与する消費活性化策を実施、2万円の前払いなどに対し5000ポイントを付与。

5.モビリティ

2019年度内に65歳以上の高齢者を対象に、自動ブレーキ装備の車の購入を支援する措置を開始。

6.エネルギー・環境