【小売業特別レポート】NTT東日本「AIガードマン」買物客の行動をAIで検知し声がけにつなげる
~店舗の「万引き防止」や「接客向上」に効果~
買物客の行動検知がCS向上にも貢献
商品ロス対策としての「AIガードマン」だが、それだけが導入効果ではない。キーワードは「声かけ」だ。買物客の不審な行動をAIで検知する機能は、反対に買物客が戸惑っているサインという可能性もある。すでに「AIガードマン」を導入した店舗では、積極的な声がけにより顧客満足度(CS)向上とそれによる売上アップを実現しているケースも出ている。
店舗スタッフの「売場への意識」が高まる
食品スーパー「ライフ」を展開するライフコーポレーションも「AIガードマン」を導入した一社。「AIガードマン」により不審な行動を検知することで、店長が店内を巡回する動機づけができ、巡回頻度が増したほか、通知された画像をチェックすることで適切なタイミングでの声かけが可能になったとしている。
また、「AIガードマン」の導入から、店舗の管理職に通知が届くように設定し、担当を決めずに通知を受けた全員が現場に向かうというルールを設定した。こうしたルールを決めて、管理職全員の意識を統一が図れ、互いの業務をカバーし合う体制ができたという点でも店舗活性化の効果は上がっているという。
また、バックヤードでの管理業務に時間を割きがちな店長でも、「AIガードマン」導入により、従来以上に売場への意識を高める効果も出ているようだ。売場に出ている時間が増えれば、売場の状況を把握することは容易だ。それに加えて、売場を頻繁に店長や管理職が巡回していれば、他の店舗スタッフの注意も売場に向くようになる。買物客の行動や店舗レイアウトの改善ポイントなど新たな気づきにもつながることになるだろう。
AIカメラにより目の届きにくかったエリアも解消
店舗を頻繁に巡回し、積極的に声がけを実施してCS向上を実現するにも人手はかかる。すでに慢性的な「人手不足」は流通業にとっては大きな課題となっている。店舗スタッフを効率的に活用するにも、「AIガードマン」が抽出した画像データは活用できる。売場での不審行動だけでなく迷っている買物客を特定できる「AIガードマン」ならば、必要に応じて適切な声がけができる。
ドラッグストアの「ウエルシア」は、人手不足の中でのCS向上を狙いに「AIガードマン」を導入した。防犯効果を高めるため、顔認証を搭載した監視カメラも実用化されている。「AIガードマン」は、個人を特定する顔認証ではなく、行動パターンを検知して通知する仕組みなのでプライバシーへの配慮という点で負荷が低い。それも店舗スタッフの積極的な声がけを促すことにつながる。
「AIガードマン」を設置すれば、店舗スタッフが少ないために、これまで目が届きにくかったエリアにも目が届くようになる、と店舗では導入効果に期待を寄せている。ドラッグストアの店頭では、比較する商品が多いことで買物の際に迷うことも珍しくない。店舗スタッフの積極的な声がけがきっかけとなり、買物客とコミュニケーションすることで困っていることを聞き出して解決。それにより確実にCS向上につながっているというわけだ。
声がけが必要な買物客を「見える化」
比較する商品が多いことや、趣味・嗜好性で選択する商品も変わる、という点でファッションや小物を扱う店舗では、買物客とのコミュニケーションが売上アップのカギを握る
某ファッション雑貨店では、「AIガードマン」の導入でCS向上を実現するとともに、クレーム件数も大幅に減少したという。
店内で店舗スタッフに聞いてみたくて、ウロウロ・キョロキョロする買物客は少なくない。そうした行動をAIで検知しリアルタイムで通知する「AIガードマン」ならば、声がけが必要な買物客を「見える化」することで、積極的に買物を手助けできる。しかも、バックヤードにいても、通知を受けることでスピーディーに売場で駆け付けることが可能だ。
店頭では、「AIガードマン」の通知がトリガーになることで、声がけに対するストレスがなくなり、店舗スタッフが自発的に声がけする機会が増え、店舗の活性化につながっているという。
食品スーパー「ライフ」とドラッグストアの「ウエルシア」での導入事例に関する詳細は特別レポートで紹介している。
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