新たな買物体験を提供するアリババ 中国メタバース活用の潮流
「メタバースブーム」が世界を席巻している。メタバース発展のカギを握るとされる「NFT」の過去1年のGoogle Trends検索結果データを見ると、世界上位3地域に中国、シンガポール、香港がランクインするなど、中国・東南アジア地域でもメタバースへの注目度は確実に高まっているようだ。本稿では、中国および東南アジアのメタバース動向について言及していきたい。
メタバース発展に立ちはだかる独自規制
現時点における、中国のメタバース動向のポイントは大きく二つある。一つ目は、中国のメタバースは、米国を中心としたメタバース領域とは異なる独自発展の道を進む可能性があるという点である。メタバースは一般的に「インターネットの発展形」、「インターネットの延長線上」として説明されることが多い。仮にメタバースが今後、その説明どおりに発展していくとすると、中国インターネットがグレート・ファイアウォール内で独自の発展を遂げたのと同様に、中国メタバースも中国独自の奇異な発展を遂げる可能性が十分に考えられる。
そのことを示す事例がすでに存在している。メタ(Meta Platforms)が販売するVRグラス「Meta Quest2(メタクエスト2:旧Oculus Quest2)」は現在、世界人気No.1のVRデバイスとなっているが、実は中国国内では使用することができない。メタクエスト2を活用するためには、メタ運営のSNS「Facebook」のアカウントにログインする必要がある。だがご存じのとおり、中国ではネット世界に関してグレート・ファイアウォールという独自規制が存在し、Facebook だけでなく「Google」「Twitter」など日本人が一般的に使用するサービスが遮断されており、かつVPN設定を施しても単純に解決できないほどに規制が厳しい。
メタバースは、その空間に入れば誰とでも交流できる「ボーダレス性」が最大の利点とされるが、中国国内と世界は断絶される可能性が高い。中国でのメタバースビジネスを検討する日本企業の立場からすれば、これについては早期から準備しておく必要がありそうだ。
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二つ目のポイントは、
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