阪急オアシスのすぐそばに“あえて”もう1店? H2Oの棲み分け戦略とは

植芝 千景 (ダイヤモンド・チェーンストア 編集記者)

新フォーマットの売場づくりとは……

 宝塚南口駅前店は1階と地下1階の2層構造で、フロアごとに明確に機能を分けている。このうち1階は「ミニスーパー」として構成。日常使いに適した買い回りしやすいレイアウトを採用している。

 青果売場では生産者直送の野菜を扱う「おひさん市」コーナーを設け、「円満農園のトマト」(380円:以下、税抜き)や「うすいえんどう」(350円)などを販売している。

生産者直送の野菜を扱う「おひさん市」
生産者直送の野菜を扱う「おひさん市」

 精肉売場ではアウトパックを中心とした品揃えにすることで人時生産性の向上を図る。また、「牛豚あいびきミンチ肉」は大中小サイズを揃えるなど、きめ細かな量目対応をし、幅広いニーズに応えていた。鮮魚売場も同様にアウトパックを中心に構成し、インストア加工は数種類の刺身のみに限定している。

オープンキッチン形式の総菜売場
オープンキッチン形式の総菜売場

 総菜売場ではオープンキッチン形式を採用し、「厚くてうまい!豚ヒレカツ」(399円)や「玉ねぎが決め手!唐揚げモモ」(100g199円)などの揚げ物類のほか、「目玉焼きのせデミハンバーグ弁当」(599円)、「のり弁当」(499円)などの弁当類も揃える。

弁当類も揃える

 続く冷蔵ケースでは、「北海道じゃがいも使用ポテトサラダ」(198円)、「茄子の揚げ浸し」(198円)などのアウトパック商品を展開している。

 一方、地下1階は加工食品や飲料、酒類、日用雑貨などの大容量商品を揃えるほか、飲料・加工食品などをケース販売し、まとめ買い需要に対応している。

地下1階は加工食品や飲料、酒類、日用雑貨などの大容量商品を揃える
地下1階は加工食品や飲料、酒類、日用雑貨などの大容量商品を揃える

 林社長は「段ボール陳列やジャンブル陳列を採用することにより、ローコストオペレーションの実現を図っている」と説明した。

 宝塚南口店は以上のような施策で駅前需要を捉え、初年度売上8億円をめざす。

【店舗概要】
オープン日 2025 年 5 月 10 日
所在地 兵庫県宝塚市南口2-14-1 サンビオラ1番館
店長 阿戸 勝也
営業時間 10:00~20:00
売場面積 333坪
従業員数 44名(社員4名、パート・アルバイト40名)

 

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記事執筆者

植芝 千景 / ダイヤモンド・チェーンストア 編集記者

同志社大学大学院文学研究科(国文学専攻)修士課程修了後、関西のグルメ雑誌編集部を経て、ダイヤモンド・リテイルメディアに入社。関西小売市場やDX領域を中心に取材・執筆を担当している。現在は大阪府在住。

まとまった休日には舞台・映画鑑賞を楽しむほか、那智勝浦へ弾丸旅行に出かけることも。世界各国の家庭料理を再現するのも趣味のひとつだが、料理に入れたスパイスで歯が欠けたので今は控えめに取り組んでいる。

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