北関東エリアのモデル店、総菜構成比20%!ヤオコートナリエ宇都宮店を徹底解説!

取材・文:大宮 弓絵 (ダイヤモンド・チェーンストア 副編集長)
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ヤオコー トナリエ宇都宮店

ヤオコー トナリエ宇都宮店

〒321-0964 栃木県宇都宮市駅前通り1-4-6
電話番号:028-612-7555
JR各線「宇都宮」駅から徒歩1分

ヤオコー(埼玉県/川野澄人社長)は2月9日、最新店「ヤオコートナリエ宇都宮店」(以下、トナリエ宇都宮店)をオープンした。ヤオコーにとって認知度が低いエリアへの挑戦となる同店は、同社が「北関東エリアのモデル店」を掲げ、今後、地方の大都市に侵攻するうえでの足がかりにしたいとする店舗だ。実際にどのような店づくりをしているのかレポートする。

商勢圏の“飛び地”に出店したねらい

 トナリエ宇都宮店が開店したのは、JR「宇都宮」駅西口から約100mの商業施設「トナリエ宇都宮」の地下1階。ヤオコーが栃木県へ出店するのは約20年ぶりで、県内の店舗数も同店を含めて6店と少ない。最寄りのヤオコー店舗でも約40㎞離れており、認知度の低い地域への出店となる。

 商圏とする半径3㎞圏内には、7万1000世帯/14万人が、うち同1㎞圏内では1万1000世帯/2万1000人が居住する。近隣地域には、オフィスや高校・大学・専門学校などがあり、通勤・通学者が多い。駅周辺では都市開発計画が進行中で、人口増が見込まれるエリアだ。同3㎞圏内の年代別人口構成比は40代が最も高い。世帯人員数は単身者が最多で、2人世帯がそれに続く。

 周辺の競合店としては、至近には駅東口にある商業施設「Utsunomiya Terrace(宇都宮テラス)」(22年8月開業)内に「ヨークベニマル宇都宮テラス店」があるほか、地場の食品スーパー(SM)が点在する。また北へ約2㎞に、地場百貨店の福田屋百貨店(栃木県)が運営する、地域いちばん店といわれる商業施設「福田屋ショッピングプラザ宇都宮」が営業する。

 ヤオコーはトナリエ宇都宮店を、「北関東エリアのモデル店」と位置づける。具体的には、「北関東エリア最大の都市である宇都宮市への商圏エリア拡大の布石」および「地方の大都市出店モデル」としたい考えだという。

 この背景にあるのが、2017年11月に開業した「ヤオコー浦和パルコ店」(埼玉県さいたま市)の成功だ。JR「浦和」駅東口前の商業施設「浦和PARCO」の地下1階に入る店舗で、駅前の商業施設内への出店という従来のヤオコーにない立地への挑戦だったが、現在、ヤオコーのなかでもトップクラスの売上を稼ぐ繁盛店に成長している。

 宇都宮は、ヤオコーのドミナント形成エリアから見て“飛び地”であり、周辺でのヤオコーの認知度も高くないが、この浦和パルコ店の実績が後押しとなり出店に至ったという。ヤオコーとしては同店も軌道に乗せ、宇都宮エリアでの今後の出店、さらにはそのほか地方の大都市の開拓にもつなげたいねらいだ。

デリカ売上高だけで全体の20%めざす

 では、トナリエ宇都宮店ではどのような店づくりに取り組んでいるのか。

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取材・文

大宮 弓絵 / ダイヤモンド・チェーンストア 副編集長

1986年生まれ。福井県芦原温泉出身。同志社女子大学卒業後、東海地方のケーブルテレビ局でキャスターとして勤務。その後、『ダイヤモンド・チェーンストア』の編集記者に転身。

最近の担当特集は、コンビニ、生協・食品EC、物流など。ウェビナーや業界イベントの司会、コーディネーターも務める。2022年より食品小売業界の優れたサステナビリティ施策を表彰する「サステナブル・リテイリング表彰」を立ち上げるなど、情報を通じて業界の活性化に貢献することをめざす。グロービス経営大学院 経営学修士

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