「ロピア千城台店」を解説! 売場から感じた「慎重さ」とは

矢野清嗣
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ワインを「料理別」に提案

 売場中央には11列のゴンドラを配置し、飲料、酒酒類、菓子、加工食品の売場を展開する。

新商品と思われるドレッシングは㈱武居商店が製造を担う

 飲料は500mlペットボトルと大容量を対になるようなかたちで配置しており、それぞれゴンドラ下段はケース売りコーナーとしている。売れ筋の「伊藤園・お~いお茶」は500m ℓ 64円、2 ℓ138円で販売。ロピアのプライベートブランド商品「掛川茶2 ℓ」(89円)を価格訴求商品として提供する。

 酒類は「缶チューハイ」「ノンアルコール飲料」「ビール系飲料」と「日本酒」「焼酎」「ウヰスキー」「ワイン」が対になるように配置している。「缶チューハイ」コーナーは27尺で、「キリン・氷結350m ℓ」(1缶95円、6缶570円、24缶2270円)で販売。ビール系飲料は36尺で、売れ筋の「アサヒビール・スーパードライ350mℓ」は1缶175円、6缶1013円、24缶4049円で提供する。日本酒、焼酎乙類・甲類、ウイスキーは売れ筋をベースで、競合を意識した低価格訴求が行われているようだ。

 ワインコーナーは24尺で、国産・輸入ワインを揃える。乳製品売場の近くにも売場を設けており、ユーラス社による直輸入ワイン21SKUを「ヒレステーキ」「ホルモン」「プルコギ」など“料理別”に提案するなどユニークな販促も行っている。

 菓子と加工食品の取り扱いSKUは、一般的な食品スーパー店舗とそれほど変わらないようだ。全体的に品揃えは絞られており、効率のいい売場と言えるだろう。

ロピアのオリジナル商品の「練乳鈴カステラ」。オリジナルキャラの「ロピタ」がパッケージにプリントされている

 前編でも述べたが、売場全体から伝わってくるのは「慎重さ」である。これまでは「攻める」イメージが強かったロピアだが、総店舗数50店舗を突破し、確実に売上および利益をとれる売場づくりに移行していると思われる。これまでのロピアの店と比較すると、多少の「物足りなさ」なようなものも感じるが、チェーン展開の状況を考えると、的確かつ懸命な判断であると言えるのではないだろうか。

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