プロ以外の顧客の需要も視野に、専門店として充実した品揃えを訴求=ハードストック富士
カジュアル志向がますます高まる作業用衣料
近年の傾向として作業用衣料については、カジュアル志向がますます高まっている。ハードストック富士でも、プロ層に加えてこうした商品を求める一般顧客の割合が多いという。同店では、ストレッチ性や防寒性など、ワークウエアならではの機能性を大前提とし、ワークウエアとしてのプランド力を持つ商品を着実に品揃えする一方、同じプロブランドでもデニムやミリタリーといったトレンド素材やデザイン、シルエットの独自性など、ファッショントレンドに沿った商品を着実に品揃えし、顧客ニーズへの対応を図っている。
価格帯は専門業態のほうが売れ筋のバリエーションが広く、より高品質で高い価格帯の商品が売れる傾向があるという。
また、ワークウエアは季節ごとにメーンとなる商品が入れ替わるだけでなく、毎シーズン各メーカーから新商品が投入される。とくにカジュアル志向が高まる昨今では、機能性や技術の進化に加え、ファッション性の面でも新しい提案が盛り込まれる傾向が強まっている。こうした新商品をエンドやアイランドで展開したり、マネキンを多用したトータルでの着こなし提案や、映像を活用した演出にも力を入れている。
夏場に向けて近年需要が高まり、製品のバリエーションが増えているファン付き作業服については、「静岡県内の地方都市でもヒートアイランド現象が起こっており、毎年の気候条件にもよりますが引き続き売れ筋カテゴリーとみています。個人としての職人が購入するケースもありますが、企業として作業する方の体調管理が重要な責務となっていることから、必要な安全対策の一環としてまとめて購入するケースも増えています。種類の多様化やカジュアル化も進んでいますが、すでにある程度普及しているので、今後は機器とのセット販売ではなく、服だけを交換する需要の割合が高くなっていくとみています」と武藤店長は話す。
このほか同店では女性用の衣料コーナーを設置しており、動きも好調だという。単にサイズが小さいというだけでなく、女性の体形にフィットする商品も増えている。「現場で働く女性の割合が急激に増えるとは思っていませんが、やはり一定の需要があることは確かで、しっかりコーナー化することで、今後の売上への付加効果にも期待しています」(武藤店長)。