サミットストアテラスモール松戸店、店内の横長大型ディスプレイがスーパーの店内販促を変える!

2019/11/01 06:30
松尾 友幸 (ダイヤモンド・チェーンストア 記者)
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「創革2019」の集大成

 サミットにとって、松戸店出店の意義は大きく分けて3つある。1つ目は、同社にとって出店が少ない千葉県内で旗艦店としての位置づけの店舗を出店できたことだ。サミットは東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県で合計115店舗(1910月時点)を展開しているが、そのうち82店舗が東京都で、千葉県では今回の松戸店を含めて5店舗のみとなっている。サミットとしては、松戸店を千葉県における旗艦店とし、同じく松戸市内にある「松戸新田店」とともに認知度を高め、千葉県でのシェアアップを図りたい考えだ。

 2つ目は、11年にオープンした「テラスモール湘南店」(神奈川県藤沢市)に続いて、約8年ぶりにSCへの出店を実現したことだ。ここ23年は都心部を中心に300坪規模の小型店の出店が多かったサミットだが、一方で「SCへの出店もかねてからねらっていた」(竹野社長)という。小型店よりも売上効率がよい600坪規模の標準店を今後郊外に出店するにあたり、SCでの出店経験を重ね、出店の幅を広げたい考えだ。テラスモール湘南店に続き、松戸店でもSCの核テナントとしての経験やノウハウを蓄積し、「今後は新規オープンやリニューアルを問わず、SCへの出店も積極的に取り組みたい」(竹野社長)とのことだ。

テラスモール松戸
テラスモール松戸

 そして最も大きいのが3つ目で、1719年度の中期経営計画「創革2019」で取り組んできた「新しい店づくり」の集大成となる店舗をつくりあげることができたことだ。サミットは16年にオープンした「羽衣いちょう通り店」(東京都立川市)から、お客と心と心が通う“ハイタッチ”な店舗づくりを進めてきた。

 具体的には、従来の効率的に買い回ることができる直線的な導線から、壁面を湾曲化してスペースをつくり、各部門を「ゾーン化」する売場レイアウトへ変更した。これにはお客の滞在時間を長くし、回遊性を高めるねらいがある。

 また、接客専任の「案内係」やイートインスペースの「サミCafe」、試食コーナーの「おためし下さい」などの施策で“ハイタッチ”な接客に取り組んだほか、内装面では欧州の小売店を参考にした什器や照明で市場のような雰囲気を演出し、お客に“わくわく感”を提供した。

 松戸店ではこうした取り組みに加え、新たに壁面3カ所に大型のディスプレイを設置し、旬や季節感を演出する映像を流す。売場でお客に季節を感じ取ってもらい、旬の食材の購買へとつなげるねらいがあるのだろう。

壁面3カ所に設置したディスプレイでは、旬や季節感を演出する映像を流す
壁面3カ所に設置したディスプレイでは、旬や季節感を演出する映像を流す

 そのほか、生鮮各売場や総菜、ベーカリー売場では、お客に製造工程が見えるようにオープンキッチンを採用。“ライブ感”のある売場づくりを行った。

 「松戸店はこれまでの取り組みの集大成だが、あくまで通過点。これでサミットの成長が止まるわけではない」(竹野社長)。サミットは、今後もお客目線で“ハイタッチ”な店舗づくりを継続していく。

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記事執筆者

松尾 友幸 / ダイヤモンド・チェーンストア 記者

1992年1月、福岡県久留米市生まれ。翻訳会社勤務を経て、2019年4月、株式会社ダイヤモンド・リテイルメディア入社。流通・小売の専門誌「ダイヤモンド・チェーンストア」編集部に所属。主に食品スーパーや総合スーパー、ディスカウントストアなど食品小売業の記者・編集者として記事の執筆・編集に携わる。趣味は旅行で、コロナ前は国内外問わずさまざまな場所を訪れている。学生時代はイタリア・トリノに約1年間留学していた。最近は体重の増加が気になっているが、運動する気にはなかなかなれない。

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