楽天西友ネットスーパー好調!赤字・撤退で苦戦するネットスーパー業界で新規登録数増の理由
ネットスーパーの課題となる出荷の問題を改善。物流体制を強化
![SEIYUドットコム](https://diamond-rm.net/wp-content/uploads/2019/02/dcsreport_seiyurakuten_02-b.jpg)
ネットスーパー事業の拡大においては、いかに効率的な物流体制を築いていけるかがカギを握る。
一般的なネットスーパーでは、顧客が注文しようと思っても、「当日の配送枠が一杯で、最速でも商品が届くのは翌日や翌々日」という状況がよくみられ、販売機会の損失を起こしているケース、およびそのためにアクティブ会員が伸び悩むケースが少なくない。新物流体制の立ち上げのねらいは、こうした課題を解消することにある。
柏市に立ち上げた専用配送センターは冷蔵、常温などの温度帯別に、効率よくピッキングできるレイアウトとなっており、最終的に顧客に渡すかたちで商品をピッキングする。そうしてピックアップされた商品は、センターから都内に複数設置された「配送拠点」に届けられる。そして、この配送拠点からラストワンマイルを担う。
専用センターを立ち上げたことで、出荷能力が増強され、「まだ完全ではないが、首都圏では(当日の)配送枠が埋まってしまっているという状況は解消された」(野村氏)という。
さらなる利便性の向上も見据える。顧客側からみれば、指定した配送枠の2時間は自宅で待機しなければならず、その間は行動が制約される。同サービスが今後めざす在り方について、野村氏は「現在の2時間の配送枠のうち、たとえば、『枠の前半30分で届くか』『それとも1時間後に届くのか』というようなきめ細かな情報を注文客に通知できるようにしたい」と話す。
このほか、「注文先の玄関などに留め置きする仕組みを構築していきたい」(野村氏)としており、さらなる顧客満足度向上をめざす。
今後の展開について、野村氏は「需要に応じて新たな専用センターを設置し、より多くの注文を受けられる体制を構築する。その際、専用センターは自動化も検討していく」とも話す。物流体制の拡充にあたっては、楽天の物流網の活用も選択肢とし、検討していく意向だ。
ただ、柏市の専用センターを含めたセンター設置については、「店舗からの出荷をなくすという前提ではない」と野村氏は述べる。「今後もあくまでも店舗と専用センターの併用を考えていく。(センター配送か店舗配送かを)エリアで分けるか、それとも店舗は短時間での配送のみを行うかなど、さまざまな可能性を検討していく」(野村氏)。
DCS Report の新着記事
-
2024/07/16
ロピア、初のFC、初の沖縄店舗を徹底調査!本土と同じ点、違う点とは -
2024/07/04
ミニストップ、進化した独自モデルの実力と戦略とは -
2024/07/02
老舗うなぎ店もスーパーも採用「特殊冷凍」がビジネス変える! -
2024/06/18
イトーヨーカ堂の新総菜ブランド「ヨーク・デリ」のねらいとは -
2024/06/18
ローカルスーパー生き残りの一手!オギノHDが青果卸買収のねらい -
2024/06/17
食品スーパーも学ぶべき!杏林堂最新店の地産地消食MDとは
この連載の一覧はこちら [225記事]
![DCS Report](https://diamond-rm.imgix.net/wp-content/uploads/2020/07/DCS-Report680.jpg?auto=format%2Ccompress&ixlib=php-3.3.0&s=e79acaca1dcba96fd20a94a92db62b95)
西友,楽天グループ・楽天ペイの記事ランキング
- 2024-05-02イズミが西友の九州事業を買収、激動の九州小売マーケットを制するのは?
- 2023-03-08ストア・オブ・ザ・イヤー2023、11〜20位も話題の新店がずらり!
- 2022-09-28ファッションECで圧倒的な存在感!楽天ファッションが影響力を高めた理由とは
- 2024-02-10楽天から離れ、西友のネットスーパー事業は単独の店舗出荷型へ その戦略とは
- 2021-09-29西友、PBの領域を超えたオリジナル商品の開発戦略とは 2023年までに構成比25%めざす
- 2020-08-12楽天、1-6月期は274億円の純損失 年間配当は未定
- 2020-10-13楽天と東急がマーケティングでタッグ!新社長に聞く3つの取り組みと東急ストアがどう変わるか!?
- 2020-12-18ウォルマート 楽天が西友に出資した壮大な理由と新体制化で西友が向かう先は!?
- 2021-03-16物流、モバイル強化の布石に見えるも…資本業務提携した楽天と日本郵政に多難が待ち受ける理由
- 2021-06-16楽天、福岡と大阪に物流センター新設、神奈川と東京・八王子にも計画
関連記事ランキング
- 2024-06-26上場食品スーパー決算ランキング2024 好決算目立つも格差拡大
- 2024-07-11リニューアルでロピア化した「スーパーバリュー草加店」の売場を解説!
- 2024-07-01スマホ1つでレジまで…進化するスーパーマーケットアプリの現在地
- 2024-06-17フードウェイ上大岡mioka店の売場づくりを徹底解説!横浜3店目
- 2024-07-12「地場DS」でわずか5店舗でも競争勝ち抜く日東物産の戦略
- 2024-07-05人手不足時代に小売業がとるべき2つのアクションとは
- 2024-07-05あのチェーンも導入!食品スーパーの「量り売り」、成功の秘訣は?
- 2024-07-01ヤオコーの南北政策の旗艦店、伊奈店のシニア対応MD徹底分析
- 2024-06-18ローカルスーパー生き残りの一手!オギノHDが青果卸買収のねらい
- 2024-06-17ヤオコー、バローHD、サミット 24年3月期決算分析と今期の戦略