倉庫出荷型として再始動の楽天マート 限界利益は黒字化、次は?
楽天グループ(東京都/三木谷浩史会長兼社長:以下、楽天)は2024年9月、西友(東京都/大久保恒夫社長)と共同で運営していた「楽天西友ネットスーパー」を、単独運営の倉庫出荷型スーパーに切り替え、「楽天マート」として新たにサービスの提供を始めた。
ネットスーパー事業を通じて食品流通改革へ取り組むとする楽天は、どのように事業を推進するのか。同事業を担う事業会社、楽天マート(東京都)の盧誠錫社長に聞いた。
ユーザーは順調に増加限界利益はすでに黒字化
楽天は2018年4月に、西友と合弁で「楽天西友ネットスーパー株式会社」を設立し、ネットスーパーを共同で展開してきた。
西友の実店舗を起点とする店舗出荷型ネットスーパーと、3カ所の物流センターを拠点とする倉庫出荷型ネットスーパーを組み合わせた運営形態をとっていたが、23年12月に合弁を解消。
楽天西友ネットスーパー株式会社は24年8月に楽天マート株式会社へ商号変更し、同9月25日から、倉庫出荷型ネットスーパーの名称を「楽天マート」に変更してサービスを始めている。

楽天マートが物流拠点とするのは、楽天西友ネットスーパーの運営時から引き継いだ物流センターだ。
21年1月に開設した大型物流施設「三井不動産ロジスティクスパーク横浜港北」(神奈川県横浜市)内のセンターのほか、大阪府茨木市(22年1月開設)、千葉県松戸市(23年3月開設)にも専用物流センターを構えており、これら3拠点に加えてデポを関東、関西で50カ所以上展開している。
配送は委託業者が担い、ユーザーは午前10時から午後10時まで2時間単位で配達時間を指定できる。配送料は一律330円で、3500円(税込)以上購入すれば送料は無料(エリアによっては一部条件が異なる)。取り扱いSKU数は、生鮮食品や日用品など約1万4000SKUとなっている。

配送エリアは、
ネットスーパー新章突入! の新着記事
-
2025/01/31
プライム会員以外にも開放した効果は?アマゾンのネットスーパーの現在地とは -
2025/01/31
倉庫出荷型として再始動の楽天マート 限界利益は黒字化、次は? -
2025/01/30
西友、楽天と分離後のネットスーパー事業の絶妙な戦略変更とは -
2025/01/30
イズミのネットスーパー、購買頻度が急上昇 大胆リニューアルしたその戦略とは? -
2025/01/29
業績低迷で一度撤退のイトーヨーカ堂、新ネットスーパーのポイントとは -
2025/01/29
イトーヨーカ堂伊藤弘雅氏が語るセンター型「失敗の本質」と新ネットスーパー成功の要諦
この特集の一覧はこちら [12記事]

楽天グループ・楽天ペイの記事ランキング
- 2022-09-28ファッションECで圧倒的な存在感!楽天ファッションが影響力を高めた理由とは
- 2025-04-14ネットスーパー相関図 2025 市場拡大背景に協業・提携が活発化!
- 2020-03-09アングル:楽天の携帯事業、独自アプリが秘める通信料金「破壊力」
- 2020-10-01楽天の5Gは月2980円 三木谷氏「タダ5G」とアピール
- 2020-10-13楽天と東急がマーケティングでタッグ!新社長に聞く3つの取り組みと東急ストアがどう変わるか!?
- 2020-12-28楽天、営業管理システムに第三者がアクセス、「楽天市場」出店者の情報など
- 2024-04-032期連続の増益見込む西友、収益性を高めるデジタル戦略とは
関連記事ランキング
- 2025-06-25食品スーパー決算2025 優勝劣敗鮮明でランキング上位にも大きな変動が!?
- 2025-06-16なぜロピアに行くと爆買いしてしまうのか? 「姫路ムサシ店」の売場から考察!
- 2025-07-08青果部門が迎える新局面……安定供給と差別化のカギは、小売起点の流通改革!
- 2025-06-27千葉北西部のドミナントをさらに深耕 「ヤオコー松戸古ケ崎店」の売場づくりを速報!
- 2025-06-30おかずやサラダの量り売りコーナーを導入! 「イオンスタイル竹の塚」の総菜売場を徹底解説
- 2025-06-24年商目標約39億円! サミットの新店「ららテラス北綾瀬店」の売場づくりを速報
- 2025-07-04大店立地法新規届出速報 オーケーが大阪府内に2店舗を新設へ
- 2025-06-17愛知のローカルスーパー、ヤマナカが「高質業態」を再定義 そのねらいと成果は
- 2025-07-09青果卸を買収し強固なサプライチェーンを構築!オギノの青果はどう変わる?
- 2025-07-04連載・小売業とM&A 第3回 食品スーパーにおけるM&A活用の方向性