開業時の売上2倍が射程に!「ホーチミン髙島屋」躍進の秘密とは

文:佐野佳代子
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主役はあくまでローカル、地域の反応をMDに

メッセージカードのツリー
今年6周年のディスプレイでは、従業員が大切な人への想いをつづったバラのメッセージカードのツリーが特徴的

 ホーチミン髙島屋好調の要因にはさらに、徹底的に地域の人々の反応を見るという姿勢が挙げられる。デパ地下に並ぶ食料品も日本での知名度や人気をそのまま持ち込むことはせず、試食会を開いて反応を見定める。

 「趣味嗜好の違いというのは必ずあるので、品揃えでも店内装飾においても、主役はローカルの人々だという考え方で進めてきた。それが今の売上伸長の1番大きな要因ではないか」(福岡社長)

 自分たちの考え方や経験値を押し付けない姿勢は、商品政策(MD)にも表れている。現在、ホーチミン髙島屋のMDを担うのは、シンガポール髙島屋から出向してきたシンガポーリアンだ。各ブランドのアジア本部はシンガポールにあることが多く、必然的にシンガポーリアン同士のつながりが有効になる。「シンガポール人が組み立てたMDをベトナムの特性に合わせて常にアジャストしている。それが今のところうまく機能しているようだ」(同)

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