イオン閉店で“一人勝ち”状態に!? 新装「ベルク ベスタ東鷲宮店」の売場を解説
首都圏でベルク(埼玉県/原島一誠社長)の存在感が大きくなっている。埼玉県を地盤とするベルクは現在、126店舗(22年5月末時点)を展開しており、うち埼玉県には78店を展開する。同じく埼玉県を地盤とするヤオコー(埼玉県/川野澄人社長)も埼玉県に96店舗を展開しており、県内各所で火花を散らしている。
競争激しい商勢圏で、なぜベルクの店は消費者に選ばれているのか。ベルクの最新の売場づくりを確認するため、2月26日に改装オープンした「ベルク ベスタ東鷲宮店」(埼玉県久喜市:以下、東鷲宮店)を訪ねた。
調査日:4月10日、6月4日 ※本文中の価格はすべて本体価格
NSCの核店舗をリニューアル
ベルクが2月26日にリニューアルオープンした東鷲宮店は、JR「東鷲宮」駅から直線距離で約820mの場所にある。
埼玉県東部に位置する久喜市の人口は約15万人、首都圏で働くビジネスパーソンのベッドタウンとして発展してきた歴史を持つ。「東鷲宮」駅の隣駅である「久喜」駅は、JR宇都宮線と東武鉄道伊勢崎線が乗り入れる、県東部における交通の要所となっている。
東鷲宮店は、近隣型ショッピングセンター「ベスタ東鷲宮」の核となる店舗で、同店のほか、「ホーマック」「しまむら」「ドラックストアセキI」などが入る「東鷲宮」駅周辺に目を向けると、同駅南口からすぐに場所で約36年間営業を続けてきた「イオン東鷲宮店」が2022年4月に閉店している。6月現在、その跡地には新テナント入居の形跡はなく、現在の同駅周辺のマーケットは東鷲宮店の“一人勝ち”状態であるといえそうだ。
“同じ配置なのに店舗ごとに異なる雰囲気”
売場を見ていこう。ベルクの売場配置は、店舗規模に応じて多少違いはあるものの、基本的にほぼ全店で統一されている。メーン入口から青果、精肉、鮮魚と生鮮ラインが並び、乳製品と日配を挟んで総菜とインストアベーカリーにつなぐ。売場中央では冷凍食品とアイスクリームを大きく展開、中央奥側にはチルド飲料、ヨーグルト、手前側には酒類、即席麺を配置する。ベルクの店舗を訪ねたことがある人であれば、誰もが簡単に売場を思い浮かべることができるだろう。
売場スペースの構成比では、総菜を含む生鮮4品が29%、日配が24%と、両部門で53%を占める。ほかは加工食品が24%、酒類が8%、菓子が7%、日用品が8%と、堅実な構成となっている。
売場配置、商品構成が統一されているというと、通常は、売場は似通うことが多い。だがベルクの場合、売場配置はほぼ同一であるにもかかわらず、店内に漂う雰囲気は店舗ごとに異なる。
現場では、ベルクが基本政策である「地域密着」が徹底されており、競合店との違いが明確に打ち出されている。競合店との差別化策を現場から探し求める姿勢のあらわれであり、本部指導型ではなくあくまで現場主導型の販促を重視していることが窺える。
Dr.矢野の売場診断! の新着記事
-
2024/11/07
生鮮売場を確保する巧みなレイアウトに注目! 「ロピア千種店」の売場を徹底解説 -
2024/10/24
名古屋市の都心部に出店! 「ロピア千種店」売場レポート -
2024/10/18
関西初の「ロピアモール」として出店! 「ロピア北加賀屋店」の売場を解説 -
2024/10/03
多治見店とは違う「ロピア桑名サンシティ店」の独自の売場づくりとは? -
2024/09/26
三重県に進出!新シリーズ商品並ぶ「ロピア桑名サンシティ店」の生鮮売場を解説 -
2024/09/04
運営が厳しいSCでも利益を出せる「ロピア多治見店」の工夫を解説!
この連載の一覧はこちら [88記事]
ベルクの記事ランキング
- 2024-10-23週刊スーパーマーケットニュース ベルク上期決算増収減益も通期では増収2ケタ増益見込む
- 2024-11-01週刊スーパーマーケットニュース マックスバリュ東海、小型店を静岡県伊東市にオープン
- 2024-09-14関東の小売業都県別売上ランキング2024 オーケー、ベルクが2ケタ増収!
- 2023-09-18ベルクの新フォーマット、「クルべ」徹底分析!他のディスカウントSM との決定的な違いとは
- 2024-02-26ヤオコー、サミット、ベルク、マミーの総菜調査で判明!3つの新潮流とは
- 2024-03-09ストアオブザイヤー2024、2位に入ったのはベルクのあのDS業態!?
- 2020-04-23ベルク、原島一誠専務が社長昇格、大島社長は相談役に
- 2021-08-25ヤオコーを超える顧客支持率?コロナ禍まとめ買い時代に客数を伸ばす、「ベルク」強さの正体!
- 2021-08-27【ベルク価格調査】激安!千葉ニュータウンエリアで支持される秘けつを「価格戦略」から分析!
- 2021-08-30【熊谷エリア8店舗調査!】ベルクの牙城で見えた、ヤオコーを抑える“執念”とは
関連記事ランキング
- 2024-10-18関西初の「ロピアモール」として出店! 「ロピア北加賀屋店」の売場を解説
- 2024-10-24名古屋市の都心部に出店! 「ロピア千種店」売場レポート
- 2024-11-07生鮮売場を確保する巧みなレイアウトに注目! 「ロピア千種店」の売場を徹底解説
- 2024-10-23週刊スーパーマーケットニュース ベルク上期決算増収減益も通期では増収2ケタ増益見込む
- 2024-11-01週刊スーパーマーケットニュース マックスバリュ東海、小型店を静岡県伊東市にオープン
- 2024-10-03多治見店とは違う「ロピア桑名サンシティ店」の独自の売場づくりとは?
- 2024-07-31ロピアと近接!熾烈な価格競争を展開するフーコット5号店「三芳店」売場レポート
- 2022-06-03兵庫県三田市のニュータウン中心地に出店! 「ロピア兵庫三田店」の売場を解説
- 2024-09-26三重県に進出!新シリーズ商品並ぶ「ロピア桑名サンシティ店」の生鮮売場を解説
- 2023-07-05売場の“ロピア化”が止まらない?! 「スーパーバリュー杉並高井戸店」の売場を徹底解説