IoT・AI時代のデジタルイノベーション
データから洞察と価値を生み出す小売業のアナリティクス経営
ビッグデータ活用を企業競争力向上につなげるために
デジタルイノベーションにおけるAI活用へのチャレンジ
アスクル株式会社 金子 隆洋氏
AI活用のレコメンドで月1400万円の購入増に
ビッグデータ分析で“定説の発見”も
アスクル株式会社 BtoB事業企画本部 EC&データマーケティング 統括部長 金子 隆洋氏
アスクルは、法人向けカタログ通販メインの時はアイテム数がカタログに掲載できる数に限られていた。しかしECが8割を占めるまでになり、加えて一般消費者向けサイトへの展開でアイテム数が急増。これに対して金子氏は「もはや属人的なプロモーションや需要予測が難しい状況。そこでAIを活用しECの強化と業務効率化に取り組んでいる」と話す。
AIにはアンサンブル学習を取り入れた。顧客のオンライン行動と商品情報をもとに125種類以上のストラテジー=レコメンデーション・タイプから最もパフォーマンスの高いロジックを自動採用する。この効果を検証したところ「上位顧客層では件数も売上金額も上昇を示した。一連のAI活用施策により月間で売上1400万円増の効果につながった」と金子氏は語る。
さらに「AIを活用し累計2兆円のビッグデータ分析により購買パターンにおける“定説の発見”ができる」ことを示唆。顧客の環境変化による購買動向の推定などにも応用できると今後のAI活用について明らかにした。