商品開発体制も一新!カインズが8つのプロダクトブランドに分けるねらいとは

松岡 瑛理
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カインズ(埼玉県本庄市/高家正行社長)は、オリジナル商品のリブランディングプロジェクトを発表した。2024年4月以降、オリジナル商品を8つのプロダクトブランドに分けて展開する。既存の社内体制を見直し、デザインオフィス「nendo」と協業しながら、新たな商品開発を進めていく予定という。

新プロダクトブランドについてプレゼンする高家社長

自分らしいくらし
実現できるブランド

カインズでは2007年、商品企画から設計、物流、プロモーション、販売までを自社が一貫して行う「SPA (製造小売業)宣言」を、18年には社内と売場の双方でIT活用を推進する「IT小売業宣言」を行った。2019年以降は次の10年、20年先に向けて持続的な成長を続けるための「第3創業期」として位置づけ、そのために中期経営計画「PROJECT KINDNESS」を策定している。

「PROJECT KINDNESS」に含まれる戦略の一つが、SBU(Strategic Business Unit:戦略事業単位)だ。
同社ではSPA宣言以降、オリジナルブランド「CAINZ」の商品開発に本格的に舵を切るようになった。カテゴリーは日用雑貨、家庭用品、ペット用品、インテリア用品など多岐にわたり、品目数は1万3000点程度。07年度から22年度までの16年間で、オリジナル商品の売上高は約2.3倍にまで増えている。
ここまで商品数が広がってくると、品番でカテゴリー分類した場合、お客のニーズとの間にズレが生じる可能性が出てきてしまう。このため、事業単位を「ライフスタイル・日用雑貨・プロ・ペット」という4つに拡縮し、各事業でターゲットごとにコンテンツを分類することで、品番を超えた顧客提供価値をベースとした商品開発の姿勢を打ち出した。

今回のリブランディングはこのような改革の延長線上に位置づいており、生活のシーンやテーマを基軸とした商品開発をさらに加速させるねらいがある。

リブランディングにあたっては、カインズの提供価値とは何かを再定義し、日々の生活シーンから課題を抽出。最終的に、これまで「CAINZ」1つだったブランドに新たなシリーズを加え、今後は「CAINZ」「CAINZ STYLE」「CAINZ FIT」「CAINZ MAKE」「CAINZ ISM」「CAINZ PRO」「CAINZ Pet」「CAINZ CYCLE」の全8つで展開する。それぞれ「くらしを『支える』」「日々のくらしを『楽に』」「日々のくらしを『すこやかに』」「くらしを自分らしく『クリエイティブに』」「いつものくらしに『プロの視点を』」「職人さんの一日を『よりよいものに』」「ペットとのくらしを『心地よく』」「自転車をくらしの『パートナーに』」という同社の提供価値を反映した商品開発を行う。

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