メリハリ消費に対応し、ハレとケを意識した仕掛けと納得感のある商品づくりを
昨年との比較や直近の動向を見ると、2023年の秋から冬は、アフターコロナとして日常を取り戻すなかで、消費の二極化がさらに進みそうだ。食品スーパー(SM)の総菜部門においては、この“メリハリ消費”にどう対応するかが一つのポイントとなる。それを踏まえたうえで、本稿では商品作りの見直しやイベント時の仕掛けづくりについて解説する。
消費の二極化による影響はより顕著に
まず、昨年の振り返りをしていこう。昨年の10~11月は怒涛の値上げラッシュでさまざまなものが値上がりし、筆者自身も長年培った“値ごろ感”が崩壊した。そうした環境下で、年末年始商戦においても厳しい結果となることを予想する声が多かったが、蓋を開けてみると3年ぶりに自粛要請のない年末年始となりハレの日需要が勝った。全国スーパーマーケット協会「スーパーマーケット販売統計調査」によれば、昨年12月は客数、客単価ともに伸長し、既存店売上高は対前年比103.4%、総菜は同105%と好調に推移した。しかし、その後は消費の二極化が進み、価格訴求の強化、ディスカウント業態の拡大が進んでいる。
では、総菜の価格に対し、消費者はどのような意識を持っているのか。同協会の「2023年版スーパーマーケット白書」の消費者アンケート調査によると、「なるべくお金をかけたくないカテゴリー」として、弁当、総菜パン、揚げ物、といった総菜商品が軒並み上位にランクインしており、ふだんのおかずに対する節約嗜好が垣間見える。一方「多少お金をかけてもよいカテゴリー」には唯一寿司がランクインしている。総菜においてメリハリ消費が進んでいることは明確だ(図表❶)。今後、過去の値ごろ感にとらわれず、ハレとケを意識した新たな仕掛けを考えることが重要となってくるが、あらゆる商品が値上げしていることも加味しなければならない。そうした状況下でカギとなるのが「消費者にどのように納得感を持って商品を購入してもらえるか」だ。
イベントの曜日与件を見極めた売場づくりを
続いて、今年の与件を整理してみよう。近年、イベントとして拡大しているのは
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