家でのウイスキー飲用が定着し市場が拡大、ハイボール缶からボトルへの移行がカギ

室作 幸江
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コロナ禍での家飲み需要の拡大によって大きく伸長したウイスキー市場。その動きは落ち着きを取り戻しつつあるものの、依然として好調だ。メーカー各社は新規ユーザー獲得に向けてさまざまな施策を展開しており、今後も市場の拡大が期待できそうだ。

ハイボール缶で新規ユーザーを獲得

 ハイボールという飲み方提案によって新たな飲用者を獲得し、市場の再活性化に成功したウイスキー。コロナ禍での家飲み需要の拡大によって、消費者のウイスキーに対する関心はさらに高まり、市場は大きく伸長した。その勢いは落ち着いたものの、依然として好調に推移している。

ウイスキーのイメージ
コロナ禍での家飲み需要の拡大によって、消費者のウイスキーに対する関心はさらに高まり、市場は大きく伸長した。その勢いは落ち着いたものの、依然として好調に推移している。(i-stock/OlegEvseev)

 KSP-POSデータによると、2021年11月から22年10月のウイスキー全体の期間通算金額P Iは対前年同期比1.4%増の5842円だった。金額PIが22年4月と5月で前年を下回ったのは、3月にまん延防止等重点措置が解除され、外飲みができるようになったことに起因すると推測できる。

 とはいえ、6月以降は再び前年を上回っており、家飲みでのウイスキーの飲用が根付いてきたことがうかがわれる。そのきっかけとなっているのがハイボール缶だ。これまでウイスキーになじみのなかった層も取り込み、チューハイなど他のRTDからの流入が加速。ウイスキーユーザーの間口が拡大している。

 一方で、ハイボール缶でエントリーしたライトユーザーがボトルウイスキーへ移行し、さらにプレミアムウイスキーへランクアップするケースも増えている。知れば知るほど、ウイスキーの奥深い世界に興味をかき立てられ、プレミアム志向も高まっているというわけだ。しかもボトルの場合、シーンや気分に合わせてさまざまな飲み方が楽しめるというメリットもある。こうしたウイスキーならではの魅力を訴求することで、プレミアム化を促進させることが、さらなる成長のカギといえそうだ。

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