300円超えでも値頃? スーパーで高単価のおにぎりとベーカリーが続々登場の理由

宮川 耕平(日本食糧新聞社)

バーガー、サンドイッチにも高価格帯商品が登場!

 カテゴリー内では高価格帯でも、弁当と比較すれば値頃な商品は、ベーカリーにもあります。その1つが「バーガー」です。これもコロナ禍からでしょうか、200~300円台の商品開発が増えています。一般的なベーカリー商品としてはやや高い価格設定ですが、こちらも弁当と比較すれば高額というわけではありません。昨今は外食チェーンのバーガーも値上げトレンドにあるので、そちらと比較しても割安感があります。

 たとえばイオンリテール(千葉県)では、税抜280円でチーズバーガー、チキン南蛮バーガー、海老カツバーガーなどを展開しています。2025年6月にオープンした「イオンスタイル竹の塚」(東京都足立区)では、バーガーにコーヒーを合わせた「バリューセット」を用意していました。

 ヤオコー(埼玉県)はチキン、フィッシュ、ケバブに加えるかたちで、「杉並桃井店」(東京都杉並区)で「海鮮レンコンチリバーガー」(税抜298円)を発売しました。独自色のあるメニューでラインアップを強化中です。バーガー以外にも、サンドイッチのバリエーションは以前から豊富です。カツサンドなどは古くからあるカテゴリー内の高単価商品です。

 コープみらい(埼玉県)は、今期の新店で「カスクートサンド」のシリーズ化を始めました。常温で販売するバゲット系サンドで、ハム&チーズ、パストラミポークなどを税抜398円で展開します。常温でも葉物野菜やニンジンなど彩りのよい野菜を挟み、フレッシュ感のある見栄えに仕上げているのがポイントです。

彩り豊かなコープみらいの「カスクートサンド」

 おにぎりやバーガー、各種サンドのアップグレード商品は、高単価でリッチ感があります。それでも単品は500円未満です。低価格弁当と同様、ほかに必要なものを買い足せる余裕もありそうです。しかもカテゴリー内では高単価の部類ですから、いろいろなトライが可能でしょう。この価格帯では今後もおもしろい商品が出てきそうです。

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