漬物・キムチ、コロナ禍で内食化が進みご飯のお供として需要が大幅アップ=カテゴリーフォーカス
米の消費量減少や減塩ブームにより、ゆるやかに減少傾向が続いていた漬物市場だが、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、内食化が進行し、3月頃から需要が高まっている。今後も引き続き、漬物の価値を伝えることで、消費量アップを図っていきたいところだ。
金額PIは3月以降前年を上回って推移
KSP-POSデータの漬物の期間通算(2019年8月~20年7月)の金額PIは1万9831円で対前年同期比3.4%増。8月から2月までは前年割れが続いていたが、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、内食化が進行したことで3月からは前年を超えて推移している。4月以降は2ケタ増で、5月の金額P Iは2 万3070円で同21.6%増と大きく伸長した。くに白米と相性のよい「たくあん」が好調で、4月以降は2ケタ増となっている。浅漬けも4月以降は前年を上回って推移している。
一方、キムチの期間通算の金額PIは、5623円で同9.4%増。キムチも同様に1月までは前年割れだったが、2月以降は前年を上回って推移。3月以降は2ケタ増で、とくに4月の金額PIは7169円で同39.9%増、5月は7408円で同51.4%増と大きく伸長した。キムチをそのまま食べるのはもちろん、炒飯に混ぜたり、麺類のトッピングなど、さまざまな料理に活用され、消費量が伸びたことが予想される。キムチの好調は6~7月も続いている。
4月は「浅漬類」「たくあん漬」が2ケタ増と好調
食品需給研究センターの「食品製造業の生産動向調査」によると、19年度の野菜・果物漬物の生産量は74万2282トンで、対前年度比5.2%増と、2年連続でプラス成長となった。
種類別に見ると、前年を上回っているのが「梅干・梅漬」(同0.5%増)、「らっきょう漬」(同18.3%増)、「浅漬類」(同9%増)、「福神漬」(同11.7%増)、「野菜刻み漬」(同5.8%増)、「キムチ」(同6.8%増)など、多くのカテゴリーが前年を上回った。とくに「らっきょう漬」は4年連続プラスで、「野菜刻み漬」と「キムチ」は2年連続のプラスとなった。「浅漬類」は3年連続前年割れが続いていたが、19年はプラスに転じた。ボリュームのある「たくあん漬」は2年連続の前年割れとなった。
コロナ禍の状況ではどうだったのか見てみよう。今年4月の実績で前年を上回ったのが「らっきょう漬」(同13.1%増)、「浅漬類」(同10.2%増)、「たくあん漬」(同13%増)、「福神漬」(同8.7%増)、「野菜刻み漬」(同14.1%増)、「キムチ」(同9.2%増)など。ご飯のお供になる漬物が好調だったことがうかがえる。
内食化が進み、漬物に注目が集まっている今こそ、これまで漬物を習慣的に食べてこなかった若年層の取り込みを図りたいところ。そのためには、そのまま食べるだけでなく、炒飯や炒め物、サラダ、スープなどに加えるなど、漬物のアレンジメニューを浸透させていく必要がありそうだ。
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