カテゴリーフォーカス:ウイスキー、家飲み需要の拡大で大幅伸長RTDからボトルへの移行を促す施策を
サントリースピリッツ、サントリー「ジムビーム」 外飲みユーザーの本格流入に向けジョッキ訴求をさらに強化
サントリースピリッツの「ジムビーム」は、新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受け家飲み需要が高まる中、ハイボール缶、ボトルともに売上を大きく伸ばしている。今期はジョッキ訴求を軸とし、家飲みをもっと身近に楽しくする施策を強化していく。
ジョッキ訴求が奏功し前年同期比51%増を達成
200年以上の歴史を持ち、秘伝の酵母と伝統的な製法でつくられたアメリカンウイスキー「ジムビーム」は、香りと味わいのバランスが心地よく、120カ国以上で愛飲されている世界No.1*バーボンだ。また、爽快なキレ味を手軽に楽しめるRTDの「ジムビーム ハイボール缶」は、エントリーユーザーがウイスキーに触れるきっかけとなっており、ウイスキー市場全体の拡大に大きく貢献している。
2月に発生した新型コロナウイルスの感染拡大を受け、居酒屋をはじめとした外飲みの機会が減少。家飲みを楽しもうという動きが加速している。
これまで、サントリースピリッツではレモンサワーやハイボール提案によって、外飲みにプラスして家での飲酒機会を増やすためのさまざまな施策を講じてきた。しかし、このコロナ禍により外飲みが難しくなっていることから、家飲みを主とした考え方にシフト。元・外飲みユーザーに対し、手軽なRTDだけでなくボトルウイスキーならではの価値を伝えるため、外飲みで使用する「ジョッキ」に注ぎ、家でも本格的なハイボールを楽しむことを訴求している。
今年5月には人気テレビアニメの「キングダム」とコラボレーション。ジョッキプレゼントとともに、店頭購入者特典として同作品のキャラクターのスマホ壁紙配布を実施した。この施策が奏功し、5月の売上は前年比51%増の大幅伸長。同ブランド史上最高の週販を達成した。
ジョッキ訴求により、外飲みユーザーが家飲みへと流入。輸入ウイスキーに対しハードルを感じていた国産ウイスキーユーザーを取り込むことに成功した。本格的なジョッキに対し、ユーザーからの反応も上々だ。SNSにも好意的なコメントが多数見られ、20~40代を中心とした新規ユーザーも確保している。また「ジムビーム ハイボール缶」も引き続き好調に推移。外飲みに関与の高い缶ユーザーを中心に新規ユーザーを獲得し、前年比2ケタ増で成長を続けている。
※2018年販売数量(IMPACT NEWSLETTER February 1&15 2019号より)
家でフェス飯を楽しめる新提案
サントリースピリッツでは19年7月よりマーケティング活動の一環として、「OJT」に力を入れている。「OJT」とは「O」=親子、「J」=ジョッキ、「T」=つくり方訴求、の頭文字をつなげたもの。「ジムビーム」では5月にジョッキ大作戦、7月に史上最大の缶訴求、9月には外飲み気分を出すためのつくり方訴求に力を入れた。この手法は、缶からボトルへと奥行きを広げるステップアップ型、ジョッキにより店での飲用体験を演出する追体験型として、それぞれのユーザーに刺さり、着実に成果をあげている。
20年9月のプロモーションは、外飲みの機会が減少し、受け皿となった家飲み流入を「ジムビーム」ならではの楽しさや開放感で盛り上げることを目的とする。ローラさんによるテレビCMをはじめ、家でも楽しめるフェスをコンセプトとしたWEBコンテンツ「ジムビームグルメFES」を開催。キャンペーンは「ジムビーム」のボトルのほか、「ジムビーム ハイボール缶」も対象商品となっており、幅広い層に訴求できそうだ。また、ヤマザキビスケットの「チップスター」がついた特発品も発売する。
店頭では「ジムビーム」ボトルと「ジムビーム ハイボール缶」を一緒に陳列することで、RTDユーザーにジムビームならではの価値を伝えていく。サントリースピリッツでは家飲みのシーン訴求により、「ジムビーム」の飲用意向拡大を図るとともに、ウイスキー市場全体を盛り上げていきたいとしている。
前の記事
カテゴリーフォーカス:スンドゥブ、内食化の追い風を受けて手軽でおいしいスンドゥブが需要増

カテゴリーフォーカス:チリワイン、コストパフォーマンスの高さが支持集め堅調な市場拡大が続く
売場活性化のためのMD EDITION の新着記事
-
2025/05/24
冷凍食品、多様化する消費者ニーズにこたえ コロナ禍明けも堅調に推移 -
2025/05/23
日本酒市場、食品とのクロスMDを強化し、日本酒とのタッチポイントを増やす -
2025/05/23
精肉1人当たり購入金額は減少傾向、簡便性や付加価値の訴求が活発化 -
2025/05/22
減塩商品の食卓出現頻度は増加傾向に、卓上調味料のニーズがとくに高く -
2025/04/07
菓子市場、物価高で食品全般が厳しいなか堅調も、カテゴリーごとには明暗 -
2025/04/07
スンドゥブ市場、韓流ブームを追い風に24年も市場は堅調に推移
この特集の一覧はこちら [164記事]
関連記事ランキング
- 2025-11-21鍋市場、需要の多様化が進み 関連商品が続々
- 2025-09-22パスタ&パスタソース市場、コロナ禍以降、市場は堅調に推移 24年夏は米不足追い風に需要増
- 2025-04-25ドレッシング市場、サラダ以外の汎用使いが浸透、野菜高騰下でも堅調に推移
- 2025-11-04即席麺市場、コスパ・簡便性で再評価が進み、市場は安定成長を維持
- 2025-11-06シチュー市場、アレンジメニューやクロスMD提案で、秋冬以外の店頭露出の増加をめざす
- 2021-07-262021年の精肉市場はどうなる?販売データや大手食品スーパーの売場からトレンドを探る!
- 2022-08-18だし市場、21年度も堅調に推移 さまざまな形状の商品で需要に対応
- 2022-09-21増加傾向にある食物アレルギー、メーカーによる取り組みも活発化
- 2023-03-23食用油市場、22年度は価格改定が進み、過去最大の市場規模を更新
- 2023-04-26「簡便・時短」から「タイパ」へ 急拡大する「タイムパフォーマンス」志向



