その売り方は本当にお客様に届いているか? 買いたくなる習慣の広げ方・下

2020/08/18 05:55
    博報堂 ヒット習慣メーカーズ
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     次の手法は「生活者を巻き込む」です。いきなりですが、もはや新しい習慣をつくりだす商品を完璧につくりこんで発売する時代ではないかもしれません。1億総メディア時代とも言われる現代においては、生活者を味方に巻き込むことができれば、その生活者1人ひとりがメディアとなり発信者となります。このようなパワーをもった生活者を、開発の段階から巻き込んで一緒に商品をつくっていく手法を説明します。

     例えば、オンラインサロンは好事例です。オンラインサロンとは自分のビジネスや趣味の幅を広げるためにお金を払って参加する、影響力のある人が主催するサロンのことです。そこには、サロンのメンバーと交流しながらさまざまな活動をしている人たちがいます。そのメンバーたちと、新しい習慣を一緒に考える取り組みをしてみてはどうでしょうか? 

    開発の段階から生活者を巻き込む

     意識が高く、活発なメンバーの意見によって商品が磨かれていくだけではなく、発売される頃にはメンバーたちが自らも商品をつくりあげる過程に参加したという思い入れから、習慣の強力な伝道師になってくれることでしょう。他にも、クラウドファンディングを利用してみるのもいいでしょう。

     その商品や習慣に投資してくれる人をオンライン上で募集し、是非を問うことで、貴重な意見をもらえる可能性がありますし、成功すれば発売前から一定のファンを獲得することもできるからです。雑誌のようなメディアを活用してみる方法もあります。特に雑誌は、何度も読者調査と言われる対面調査を繰り返すことで、読者の行動特性や購買傾向、嗜好などについて、高い分析力と洞察力をもっています。

     その雑誌と手を組んで、読者の意見を吸い上げながら商品や習慣をつくり上げていくことで、1→10のステップのための濃いファン集団を獲得することができるでしょう。最近では、雑誌だけでなくWebニュースも読者との交流会を定期的に開催したりと、コミュニティをつくる動きが加速しています。

     このようにオンラインサロン、クラウドファンディング、メディアの知見を活用し、生活者を事前に巻き込むことで、1企業が独りよがりで商品や習慣を発信して失敗するリスクを避けると同時に、習慣のファンをあらかじめ獲得することができるのです。

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