その売り方は本当にお客様に届いているか? 買いたくなる習慣の広げ方・下
次の手法は「習慣に名前をつける」です。習慣を広めるときに、その習慣の内容を文章で伝えてしまうと、どうしても説明的になってしまいます。そうなると説明する人も面倒くさいですし、それを聞いた人も理解に時間がかかってしまい、他の人に伝えづらくなってしまいます。そんなときは、新しい習慣をパッと聞いただけでは完璧にはわからないけれど、気になってしまう新しい言葉に変換してみるといいでしょう。
例えば、「サク飯」という言葉があります。これを聞いただけでは何のことかわからないかもしれませんが、「忙しいとき、面倒くさいときにサクッと飯(食事)を済ませる」ということを意味しています。「サク飯」という言葉は響きもいいですし、理解できないからこそ初めて聞いた人も「え、サク飯って何?」といった具合に、ついつい聞き返してしまうのではないでしょうか。
新しい習慣を簡単に言葉にしてみる
もっとシンプルな言葉で、例えば「タクシーに乗る」ことを「タクる」と略すことがあります。微妙な差ですが、耳触りがよく口の端に上るイメージが湧くはずです。このように新しい習慣を伝えたくなる言葉に略してみるというのが1つの方法です。
他にも、すでにある言葉を活用して、新しい習慣を簡単に説明する言葉に変換してみるという方法もあります。例えば、古くからある商品やサービスを新しい習慣として復活させたいとき、「進化系○○」という言葉を使ってみるといいでしょう。「進化系」という言葉でWebニュースを検索してみると、ニュースの見出しとして使われているのを目の当たりにできます。
例えば、カプセルホテルという言葉からは、仕方なく宿泊する格安ホテルをイメージしがちですが、「進化系カプセルホテル」と言われるとどうでしょう。「え、進化系カプセルホテルって何?」と気になってしまいますし、「清潔でオシャレでカフェも併設した、都心に立地する新しいカプセルホテル」と長々と説明する必要もなくなります。検索してみると「脱○○」とか「時短○○」「シェア○○」など、すでに汎用されている活用可能な言葉が多く見つかるはずです。