精肉市場創造2020:専門家の視点 ISMの力量で変化する販売効果

文=鈴木國朗(アイダスグループ代表取締役)
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高単価商品の効果的な訴求法

 次に、牛肉の人気メニューの焼肉やステーキ、すき焼き等のコーナー、そして精肉の生食コーナーの高単価商品を事例にする。

 焼肉等の大容量のセット商品やプレミアムアイテムについては、陳列数量が1~3パックの場合がある。こうした商品の展開位置は、図1のイ、ロ、ハ、ニの組み合わせがお勧めだ。イとニ、またはロとハなどだ。さらに夏に向けては、冷蔵ケースのベースを最下段に設定し、ロードライン(商品陳列の上限ライン)を超えないように注意を払いながら、商品に高低差を付ける。平面的になりやすい陳列を立体的に工夫することで目を引き付けるとよいだろう。また売り込み商品やマグネット単品に次ぐ量販商品の最適な位置は、イとウの中央のゾーンとなる。

 図2は、冷蔵平台の側面を表している。前述の牛切り落とし肉はCの高さ、高単価商品はD、そして出口のEはサラダやキムチ、スープ、冷麺等、焼肉のサイドメニューの関連商品等が向いている。

アイダス図2

前出し、手直し、配置換えのマニュアル

 店の開店時間から夕方のピークタイムまでは、商品の陳列数量をチェックしながらの商品補充や前出しを実施する。そしてピークタイムが過ぎて、いよいよ陳列数量が少なくなった場合の陳列方法が重要になる。たとえば昼間と同様の前出しでは、図1のAラインに陳列された商品は、ケースから2~3mも離れれば商品が見えない状態になってしまう。したがって、よいのはA’~Bのライン上と言える。陳列の仕様も、商品によってはストレート(直接的)陳列からインクリネーション(斜め)陳列に変更すれば、視認率はさらに高まる。

 選ばれる店になるためには、お客に商品の価値や魅力を伝えること、感じさせる売り方や見せ方なども重要となる。基本を忘れず、独自の“型”づくりにチャレンジしていきたい。そして売場写真や数分間の動画などを駆使することでISMの力量を備え、店舗間ギャップを埋めていくことが重要だ。

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