ブームから「食卓の定番」に!韓国食品メーカー4社が語る戦略
ドラマやK-POPのヒットに伴い訪れた第4次韓流ブーム。このムーブメントは日本の食卓を支えるスーパーマーケットの売場にも大きな影響を与えている。ダイヤモンド・リテイルメディアでは大手韓国食品メーカーのマーケティング担当による座談会を開催。韓国食品ヒットの要因や日本市場に対する期待、これからトレンドになるであろう食品、今後の課題について語ってもらった。
2022年の韓日輸出額は過去最高を記録
―― 近年、韓国ドラマやK-POPの人気もあり、日本国内で第4次韓流ブームが起きています。これに伴い韓国食品も伸長しているかと思いますが、この市場変化をどのように見ていますか?
韓国農水産食品流通公社 尹(以下、尹):私が初めて日本へ赴任したのは06年で、当時は大阪の支社におりました。ちょうど「冬のソナタ」や「チャングムの誓い」といったドラマが日本で流行った第1次韓流ブームの時期で、イオンと組んで韓国フェアを西日本ではじめて仕掛けたのも07年です。
その際取引先に聞いた話では、大阪は在日韓国人の方が多く、韓国物産展が成功しやすい土地柄ということで、韓流ブームも後押しし、フェアの開催に至りました。
2度目に赴任した14年は日韓関係があまりよくない時期だったため、韓国というワードを極力出さずに静かなマーケティング活動を行っていました。
今年2月、6年ぶりに日本に戻った私は店頭を見て非常に驚きました。最も驚いたのはハングル(韓国語)で書かれたパッケージデザインの商品が多数陳列されていたことです。以前はどれだけ韓流が流行っていても韓国語表記は消費者に誤解を招く可能性があるということから採用されなかったのですが、現在は裏面の商品情報以外は韓国とまったく同じパッケージの商品が並んでいます。
またコロナ禍の影響もあったと思いますが、22年は韓国から日本への輸出が非常に好調で過去最高を記録しており、今後の飛躍を期待させます。
―― 過去最高の輸出額ということですが、要因はどこにあると思われますか?
尹:韓流ブームもありますが、外食業を含めた現場の努力により徐々に浸透した結果ではないでしょうか。たとえばパスタやオリーブオイルといったイタリアの食品は外食を中心にブームになり徐々に日本の食卓へ浸透しましたが、それと同じような動きが韓国食品でもあったのだと思います。
実際に食べログなどのサイトで韓国料理を検索すると、1万店近くヒットしますし、韓国の食文化がそれだけ受け入れられているのでしょう。これは一過性のブームではなく、日本の食卓に根付いてきているととらえています。