「ビーガン」よりも「プラントベース」? 行動・意識調査に見るサステナブル消費のリアル

日本大学大学院総合社会情報研究科教授 加藤 孝治
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30代~40代の
意識が高まらない理由

 最後に、商品だけでなくパッケージなども含めて「社会持続性に対する意識」に基づく購買行動が行われているかについても調査した(表3)。

表3
表3

 結果、「国産食品」「添加物(の少ない食品)」「ごみを削減するパッケージ」「低残留農薬/減農薬商品」を利用するという回答は多かった。他方で「エシカル」「菜食主義」「CO₂排出の少ないパッケージ」「賞味期限を延ばすパッケージ」などは回答率が低い状況であった。

 表では示していないが、世代別のエシカルに対する意識を回答の傾向から見ると、若年層(15-29歳)および中高年層以上(50代以上)の意識は比較的高いが、中堅層(30代-40代)の意識が低い。

 アンケート実施後に、30代から40代の消費者にこの内容を踏まえてインタビューしたところ、「(自分たちの世代は)共働き世帯も多いこともあり、社会持続性を意識する必要があることはわかっていても、コストパフォーマンスとタイムパフォーマンスを重視してしまう」という声が聞かれた。確かに、中堅層は「簡便性」に対する意識が他の世代よりも高い傾向はアンケート項目の中からも認められた。

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