伸長するプラントベースフード、買われている理由と狙い目のメニューは?

児玉 一穂(日本食研ホールディングス株式会社 食未来研究室室長)
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広がるメニューの多様性、価格もお求めやすく

 プラントベースミート商品を見てみるとさまざまなメニューの商品が発売されていることがわかる(図3)。メニュー数は19年1月時点と比べて直近22年4月では倍増しており、レパートリーの豊富さは食卓のさまざまなメニューの代わりとして利用の幅を広げ、食卓で利用されやすくなってきている。

[図3] プラントベースミートのメニュー別売上比較

 「プラントベースミートは価格が高いから購入しない」という声もアンケートでよく見るが、価格の面でも変化が起きてきている。図4はレトルトハンバーグのプラントベースミート商品と一般的な商品の100g単価を比較したものだが、プラントベースミート商品はまだ高いものの、以前は80円ほどだった価格差は直近で50円ほどに縮まってきている。販売好調なプラントベースミートのレトルトハンバーグを見てみると、一般的な商品と同じくらいの内容量、パック単価になっており、同程度の価格ならば試しに購入してみたいというニーズの大きさが窺える。

[図4] レトルトハンバーグの100g単価推移

 最近の食肉価格の上昇による値上げに対し、市場の拡大や生産の効率化などにより、プラントベース商品の値下げが進めば普及への後押しになると考えられる。

プラントベースミート 今後、狙い目となるメニューは

 今後、さらにプラントベースミート市場を拡大していくためには、どのような商品を開発したらよいのだろうか?普段食べている肉メニューの代替として利用されていることを考慮すると、家庭の食卓に対して欠落しているメニューを投入することがポイントになるのではないだろうか。家庭での肉メニューの食卓利用状況とプラントベースミート商品の売上をメニュー別に比較し、ギャップを探ってみた。

 図5は横軸をメニューカテゴリー別の食卓利用に対する売上の特化度、縦軸をプラントベースミート商品の売上増減率としてポジショニングしたグラフだ。横軸の特化度が1より小さい部分は食卓利用よりも売上構成比が小さいため市場としてまだ余力があり、商品の投入余地があるカテゴリーで、逆に、特化度1以上の部分は食卓利用よりも売上構成比が大きいため市場に対して商品が多くなっているカテゴリーと見ていただきたい。右上の揚げ物カテゴリーを見ると縦軸の売上は伸びているが、食卓利用に対する特化度が高く、市場に対して既に商品が多く投入されていることがわかる。一方、左上の中華カテゴリーは特化度が1よりも低いことから市場としてまだ商品の投入余地があり、かつ売上も伸びているので狙い目のカテゴリーと言える。

[図5] プラントベースミートのカテゴリー別特化度と売上伸び率

 中華カテゴリーをメニュー別に比較したのが図6だ。麻婆関連の売上は大きく、食卓利用を大きく上回っているが、餃子やシュウマイは逆に食卓利用が多いのにプラントベースミート商品の売上が小さく、商品の投入余地があることがわかる。とくにシュウマイは購入者の年代を見てみると50代にピークがあり、これはプラントベースミート購入者層と同じであるため、支持されやすいのではないかと思われる。同様に、特化度の高い揚げ物カテゴリーであってもメニュー別に見てみるとコロッケの売上が食卓利用に対して小さいことから、狙い目であると言える。

[図6] 中華カテゴリーのメニュー別食卓利用と売上構成比比較

日本食研ホールディングス株式会社 食未来研究室 室長 児玉一穂
日本食研ホールディングス株式会社 食未来研究室 室長 児玉一穂

食未来研究室ホームページ : https://nsk-shokumirai.com/

 メニューの多様化が進むプラントベースフードだが、食卓の利用状況と比較すると、まだまだ取り組むべきメニューは多くこれらを充足させていくことでさらなる市場拡大につながっていくと考えられる。

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