ベルクの総菜戦略を徹底解説!コロナ禍でも「バラ販売」を継続する理由とは
埼玉県に本拠を置き、関東地方一帯で食品スーパー(SM)を展開するベルク(原島一誠社長)。徹底した標準化や効率化を強みとする同社は総菜部門でも統一されたオペレーションで商品を製造する一方、売場からは従来と異なる新たなカテゴリーの商品に積極的にチャレンジする姿勢が窺える。本稿では、「ベルク和光西大和店」(埼玉県和光市:以下、和光西大和店)の調査を基に、同社の総菜戦略について分析する。調査日:2022年5月6日(商品写真は調査日に購入したものを撮影)
アウトパックのチルド弁当が豊富
ベルクは、徹底したオペレーションの標準化や効率化を特徴とするSM企業だ。基本的に全店で統一された売場レイアウト、オペレーションを導入している。その成果は経営指標にも表れており、2022年2月期の売上高経常利益率は4.7%とSMの中では高い部類に入る。
ベルクは総菜部門でも同じく効率的な売場運営に注力する。商品製造は、傘下のホームデリカ(埼玉県/原島一誠社長)が運営する総菜工場での製造、店内加工、ベンダーへの外注を適切に使い分けている。具体的には、ホームデリカがサラダなどの冷総菜を店舗へ安定的に供給する役割を担う一方、店内では出来立て感が重要な唐揚げや天ぷらなどの加工に注力。加工や盛り付けに手間のかかる商品を中心に、常温弁当やチルド弁当などの製造をベンダーに外注している。たとえば、パスタ、サンドイッチ、フライドポテトがセットになった「サンドデリプレート(ミートペンネ)」(398円:以下、税抜)は複数の食材が含まれる手間がかかる商品だが、これは弁当や総菜などの製造に強みを持つ爽健亭(神奈川県)のアウトパック商品だ。
また、ベルクでは、チルド弁当の品揃えが豊富だ。その大半をベンダーのアウトパック商品が占めている。チルド弁当は常温弁当よりも消費期限が長く、既存の冷凍食品よりもおいしく食べられることから、コロナ禍でニーズが高まっている。
店舗での慢性的な人手不足をふまえると、店内加工の絞り込みは不可欠となる。ベルクのように、大量生産・大量販売に適した商品は自社やグループ内の総菜工場へ集約させて生産効率を上げながら、作業負荷のかかる商品は製造のノウハウとキャパシティを持つ専門のベンダーにアウトソーシングすることも有効な戦略といえる。
健康志向の商品も強化
一般に、SMの総菜部門では、売上上位の定番商品が部門全体の売上高と粗利の
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