食用油市場、コロナ特需の裏年で苦戦するも対19年比では堅調に推移
えごま油・アマニ油は需要回復の兆し
TVの情報番組で取り上げられたことをきっかけに認知が広がっているえごま油とアマニ油。サプリメントのように毎日摂取する人が増えているが、コロナ禍では生活必需品ではないことから優先順位が下がり、20年は停滞した。ただ、21年下期に入って生活者の意識が変わり、健康系食用油の需要が戻りつつある。
えごま油やアマニ油は従来の食用油とカニバリすることなく、プラスαの需要が期待できるため、健康価値を訴求して、ユーザーを獲得していきたいところ。各社では、えごま油やアマニ油にトライアルしやすいブレンド油やドレッシングなどを展開しており、需要拡大に努めている。
また、環境への意識が高まっていることを受け、J-オイルミルズでは紙パックを使用した環境配慮型の家庭用食用油2品を発売した。プラスチック使用量の削減に加え、使いやすいキャップを採用することで、ユーザーからの支持を集め、好調な出足となっている。
原料の大豆や菜種の価格高騰のほか、中国などの世界的需要の増加を受け、大手3社が食用油の価格を段階的に引き上げており、今年11月には4度目の値上げを発表した。値上げにより需要が落ちないようにするため、引き続き、食用油の健康性やおいしさを訴求していく必要がある。