イオン・セブン&アイ相関図2025 激変する流通2大グループを大俯瞰!
流通2大グループのイオン(千葉県)とセブン&アイ・ホールディングス(東京都:以下、セブン&アイ)。
イオンはグループ会社の統合、事業再編を強化する一方、セブン&アイは経営体制の刷新とスーパーストア(SST)事業の売却を発表し、新体制でコンビニエンスストア(CVS)事業に注力する方針だ。2大勢力を軸とした勢力図はどう変化していくのか。
イオンは各領域でのグループ再編をさらに進めている。デジタル領域においては、グループ全体のデジタル・トランスフォーメーション(DX)を推進する中で、2024年12月にイオンスマートテクノロジー(千葉県)がイオンアイビス(同)から分割したIT事業を統合した。
グループ全体のアプリ「iAEON」をはじめ、デジタルサービスを一体運営しグループシナジーの最大化を図る。

大きく動いているのがヘルスケア領域だ。24年2月、イオン、ウエルシアホールディングス(東京都:以下、ウエルシアHD)、ツルハホールディングス(北海道:以下、ツルハHD)の3社が資本業務提携契約を締結。ツルハHDを親会社、ウエルシアHDを完全子会社とするかたちでの経営統合の協議を始めており、最終的にはイオンがツルハHDを連結子会社化する方針だ。
時期は27年度末をめどにしているが、25年2月期中間決算の説明会で、イオンの吉田昭夫社長は「当初予定よりは前倒しで進められると見ている」と述べており、早期の統合をめざしている。
U.S.M.Hが国内最大手SMに
事業会社2社を完全子会社化
食品スーパー(SM)領域では、グループ企業の再編が相次いだ。関東圏では、24年11月に、ユナイテッド・スーパーマーケット・ホールディングス(東京都)がいなげや(同)を完全子会社化した。これにより、25年度の店舗売上高は国内SM業界で最大手となる見込みだ。
中四国エリアでは24年3月、持株会社のフジがマックスバリュ西日本とフジ・リテイリングを吸収合併し、新生フジ(広島県)が誕生。東北エリアでも24年3月、イオン東北(秋田県)がイオンスーパーセンターを吸収合併した。
北海道エリアでは、イオン北海道が西友(東京都)の北海道内のGMS事業を承継。24年10月以降、9店舗を「イオン」「ザ・ビッグ」「マックスバリュ」の業態で順次オープンしている。
そのほかの動きとしては、イオンは25年2月、総合ディベロッパーのイオンモール(千葉県)、設備の管理・警備事業などを行うイオンディライト(東京都)の2社を25年中に完全子会社化すると発表した。子会社化により2社の経営判断を加速させ、各事業会社の連携を強化するねらいだ。
金融事業においても再編を進めており、イオンフィナンシャルサービス(東京都)は24年3月、連結子会社のイオンプロダクトファイナンスの全株式を大手信販のオリエントコーポレーション(同)に譲渡した。今後は個品割賦事業やカード事業など幅広い事業領域で業務提携も検討するという。
経営体制を刷新、SST事業も売却
一方のセブン&アイは25年3月、井阪隆一社長が特別顧問になり、社外取締役のスティーブン・デイカス氏が新社長に就任する人事を発表した。5月27日の定時株主総会の承認を経て正式に決定する。
24年8月にカナダのCVS大手アリマンタシォン・クシュタール(Alimentation Couche-Tard:以下、ACT)による買収提案が明らかになって以降、創業家によるMBO(経営陣による買収)を模索するなど混迷した状況にあったセブン&アイ。経営体制の刷新と同時に、自社単独で企業価値向上をめざす方策を打ち出した。
その中で大きな動きとなったのが、
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