「レノア」「アリエール」「ボールド」がこの人口減の日本で成長できている秘密
―24年、特に成長に寄与したブランドはありますか?
大平:柔軟剤は当社がリードさせていただいているカテゴリーということもありますが、今期は新セグメントを創造したすすぎ消臭剤の「レノアクエン酸in超消臭」や衣類の香りづけ専用ビーズ「レノアアロマジュエル」が特に好調でした。
この2ブランドはこれまで柔軟剤を使われていなかった新規ユーザーの方に手に取っていただく機会が多く、ニオイや香りに関するニーズの多様化にお応えすることで、柔軟剤の世帯浸透率向上やカテゴリーの成長に大きく貢献しています。とはいえ柔軟剤の世帯浸透率は6割程度であり、今後マーケットを拡大していくには未使用者へ新しい価値を提案していくことが重要です。
近年は衣料用洗剤に消臭や除菌、香りといった機能が加わることで、柔軟剤をどのように使用してよいのか分からない消費者も多い。当社としては柔軟剤をプラスで使用する意味や価値を改めてお伝えすることで、消費者にとって最高のお洗濯体験を実現し、マーケットの拡大に貢献していきたいと考えています。

好調の「アロマジュエル」に
人気のホワイトムスクを採用
―25年のマーケティング戦略について教えてください。
大平:まず柔軟剤については、世帯浸透率の向上が大きな課題となっています。また柔軟剤ユーザーであっても、吸水性の高いスポーツウェアなど洗うものによっては柔軟剤を使用しないこともある。間口の拡大だけでなく使用頻度の向上といった奥行きの拡大もマーケットを拡げるための重要なポイントです。
―そのような考えの下、今期はどのような製品を展開していきますか?
大平:まず今年3月、「レノアアロマジュエル」のリニューアルを行いました。同ブランドはこれまでも世界的フレグランスメゾンとコラボし、5つ星ホテルの極上の香りを再現した「ホワイトティーの香り」や、人気の香水から着想を得た「ブルーミングブロッサムの香り」が好評を得ていますが、今期はトレンドの香りである「ホワイトムスクの香り」をラインアップに加えました。
ビーズ剤型は好調に推移していますが、世帯浸透率は10%以下であり、形状や使い方がイメージできないために使用されていない方が多くいらっしゃいます。実際、シリンダー状のケースにビーズ剤を入れ、粒が見える形での店頭プロモーションを行ったところ売上が大きく伸びました。この成功事例を活かし、「アロマジュエル」の粒を透明なクマのボトルに詰めて作った公式キャラクター「ビーグマ」をコミュニケーションで活用し、今まで未使用でいた消費者に新しい価値を提案していきたいと考えています。
また5月には機能系のビーズ剤である「レノア煮沸レベル消臭抗菌ビーズ」も消臭成分を現行品の約10倍まで高めた形でリニューアルを行います。また、プロモーションについては「レノアアロマジュエル」のピンクの「ビーグマ」と連動し、青の「ビーグマ」を採用することで、ビーズ剤型の使用者拡大を目指します。同時に抗菌ビーズから男性向けの新バリアントも今春に投下します。
男性の身だしなみに対する意識が年々向上している中で特にニオイの悩みを解決するコスメ市場は過去5年で1.5倍になっています。そこで、男性用フレグランスで上位を占めるムスクの香りを抗菌ビーズにも採用し、男性のニオイに対するお悩みの解決を目指します。








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